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【経済】

ワクチン地域、段階拡大 豚コレラ 発生県から隣接地へ

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 農林水産省は二十一日、豚コレラ対策で実施する豚へのワクチン接種について、岐阜や愛知など飼育豚への感染が確認された地域から段階的に拡大する方向で検討に入った。限られた量のワクチンを有効に活用するために、まず養豚場や畜産試験場で発生した県から始め、その後に発生県に隣接する県や、野生イノシシでの感染が確認された地域などに順次対象を広げる。ただ隣接県では接種が後回しになり、波及を食い止めるのに手遅れとなる懸念もある。

 近く有識者会議で地域の選定を急ぎ、その地域の県知事の意見も踏まえて正式決定する。実際に接種が行われるまでの一連の手続きには通常なら数カ月かかるが、できるだけ早期に実施できるよう検討を急ぐ。感染確認地域の隣接県や野生イノシシでの発生県から早期の接種を求める声が上がっている一方、風評被害への懸念から大幅な対象拡大に慎重な意見があり、議論が紛糾する可能性がある。

 農水省は製薬会社にワクチンの増産を要請する方針だが、備蓄は国内の飼育頭数約九百万頭より大幅に少ない約百万頭分で、期限切れが近く廃棄予定だった五十万頭分を活用しても全体はカバーできない。

 このため養豚場や畜産試験場の飼育豚での感染が確認されている埼玉、福井、長野、岐阜、愛知、三重の六県をまず優先する。六県の飼育頭数は今年二月時点で計約七十万頭と、現在の備蓄の範囲内で対応できる。

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 ただ実施地域に選定されても最終的にワクチンを使用するかどうかの判断は都道府県知事に委ねる方向。ワクチンを打った豚を食べても人の健康に影響はないが、風評被害に対する考え方や地元農家の要望次第では自治体によって対応が分かれる事態も想定される。

 また農水省はワクチンを使った地域の豚については、接種していない域外の豚と区別して管理するため域外への出荷や流通を制限することも検討しており、こうした規制を避けたいとの理由で接種に消極的な地域が出る可能性がある。

 

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