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【経済】

<消費税8%から10%>便乗値上げ、監視は? 景気懸念 還元セールは容認 

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 十月一日の消費税増税まで一週間に迫った。税率を8%に引き上げた二〇一四年と比べ、政府は小売店の価格に対する監視を緩めている。前回行った増税後の「還元セール」の厳しい監視が、景気を想定より落ち込ませたと判断したためだ。監視が緩められた今回、還元セールの実施は消費者にとってありがたいが、便乗値上げも招きかねない。 (渥美龍太)

 前回の増税時は駆け込み消費が大きく、増税時の一斉値上げの反動もあって消費が急減。この時の教訓から、消費の上がり下がりを抑える「平準化」が政府にとって増税対策の最大の柱となった。小売業者に増税後の還元セールの実施など「自由な値付け」を促すのもその一環だ。

 「『十月一日以降〇%値下げ』などと表示することは問題ありません」

政府冊子「消費税の円滑かつ適正な転嫁のために」

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 内閣官房などが今年五月に改定した事業者向けパンフレットは、消費税と直接関連した表示さえしなければ、セールの宣伝は「禁止されない」と強調。一四年に使っていた改定前のパンフが禁止の事例を強調していたのと比べると違いは明らかだ。

 だが、自由な値付けを小売業者に認めることは増税に便乗した値上げにもつながりかねない。

 値付けの仕方を厳しく監視する姿勢で臨んだ前回は、「便乗値上げはいけません」と強調。悪質な業者のイラストまで添えた。それが今回は一転、「合理的な理由があれば便乗値上げには当たりません」と大きく表示している。

 政府の方針変更について、「事実上の便乗容認ではないか」と国会では野党から指摘も出ている。

 政府の担当者は「便乗値上げを厳しく監視する姿勢は前回と何ら変わっていない」と説明する。ただ、パンフでは「経営判断に基づく自由な価格設定は妨げられない」と繰り返し、監視の緩さをうかがわせる。

 京都大の坂井昭夫名誉教授は監視の緩和について「政府の対応は景気の悪化を防ぐ意味では一時しのぎにしかならない一方で、便乗値上げを増やしてしまう」と指摘。その上で「増税により実質的な所得が減り消費が落ち込むことへの対応の方が重要だ」と話している。

 

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