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【経済】

<消費税8%から10%>喫茶店倒産 最多ペース 軽減税率外れ苦杯 コンビニなどにも押され

 喫茶店の倒産が二〇一九年、過去二十年で最多に迫るペースで推移していることが東京商工リサーチの調べで分かった。大手コーヒーチェーンやレジ横で入れたてを提供する「コンビニカフェ」の攻勢、タピオカドリンクの流行など消費者の好みの多様化も響く。消費税増税で軽減税率の対象外となったことも追い打ちで、苦境に拍車が掛かる恐れもある。

 「近所の喫茶店が次々と店を閉めている」。大阪市で三十年以上喫茶店を経営する堀敬治さん(72)は肩を落とす。〇八年のリーマン・ショックを機に売り上げが落ち込んだ経験もある。十月に飲み物を十円値上げする予定で、堀さんは「客足がまた遠のくのではないか」と心配していた。

 大阪府の喫茶店の数は全国で最多。観光名所の通天閣近くで長年愛されてきた喫茶店は八月に「四十年間ご愛顧いただき深く感謝申し上げます」と、静かにシャッターを下ろした。店主が健康を損ない続けられなくなったという。

 全日本コーヒー協会などによると、喫茶店は最盛期の一九八一年に全国で十五万四千六百三十店あったが、一六年は六万七千百九十八店とピーク時の四割程度に減った。店主の高齢化や事業承継に加え、コーヒー消費の多様化で喫茶店経営そのものが難しくなったことが理由だ。

 倒産も〇五年以降急増し、東日本大震災のあった一一年には過去二十年間で最多の年七十件となった。

 消費税増税前の今年一〜八月の段階で喫茶店の倒産数は四十二件と、同じ期間では一一年の五十一件、〇七年の四十九件に続き三番目に多い。資本金一千万円未満が九割を超え、個人経営など小規模店が苦境に陥っている現状が浮き彫りになった。

 全体の約八割が販売不振が倒産の理由としていて、東京商工リサーチは昔ながらのこだわりが強く、価格転嫁や商品開発の遅れにつながった側面もあると指摘している。

<軽減税率> 生活必需品の消費税率を一般の商品より低くして家計の負担を抑える制度。10月1日の10%への増税に合わせて国内で初導入される。外食や酒類を除く飲食料品や定期購読の新聞などが対象で、税率を8%に据え置く。店内で飲食する喫茶店は税率が10%となる一方、缶コーヒーやコーヒーチェーン店の持ち帰り(テークアウト)は8%で差が生じる。

 

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