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【経済】

経営陣、当事者意識の低さ露呈 調査せずNHK報道に抗議

 かんぽ生命の不正が拡大した背景には、長門正貢社長ら日本郵政グループ経営陣の当事者意識の希薄さがある。昨年不正を報道したNHKには抗議しただけで、自ら調査に踏み込まなかった。詳細な原因究明についても弁護士らの特別調査委員会や、現在行われている金融庁の検査任せ。自浄作用を発揮するのは難しい状況だ。 (森本智之、桐山純平)

 「下から情報が上がってこなければ話が始まらない」

 三十日の記者会見で、不正を発見できなかった理由について、長門氏は現場に責任を押しつけるような発言を繰り返した。

 だが、その「情報」に接するチャンスはあった。不正販売をNHKの「クローズアップ現代+(プラス)」が報道したが「偏向している」と受け止めた。

 「割とフェアに作っている気もするが、当時は郵政は悪の企業、ブラック企業という感じがした」と長門氏は述べ、日本郵政、かんぽ生命、日本郵便三社長の連名で抗議したことを明かした。

 記者からは番組への圧力の意図を問われ、「プレッシャーを与えたつもりはまったくない」と否定したが、抗議後、NHK側から「番組の制作に偏向があるかもしれないので、二回目の放送はしない」などと連絡があったという。続編は日本郵政が不正を認めた後の今年七月にようやく放送された。

 長門氏は現在の認識について「今見れば番組の内容はおっしゃる通り。反省すべき所は多々ある」と対応が後手に回ったことは認めたが、不正の発覚後も、当事者意識は乏しいままだ。

 日本郵政が四月にかんぽ生命株を売却する際、すでに不正を把握していた疑惑が浮上。麻生太郎財務・金融相が八月、「主要なリスクは開示すべきで、対応はいかがなものか」と発言したが、政府関係者によると、長門氏は大臣が発言を修正するよう根回しを依頼していたという。

 特別調査委員会は今回の不祥事の原因の一つとして、かんぽ生命の親会社である日本郵政に対して「適切な統制が行われていなかった」と長門氏らの責任も指摘する。これにも、子会社であるかんぽ生命に対する日本郵政の影響力を「(グループの経営体制は)中央集権的ではなく連邦的だ」と居直った。

 不正が起きた原因について、長門氏は「年末の特別調査委員会、金融庁(検査)の結論を待ちたい」と結論を先延ばし。「長門氏の辞任は当然だ」(金融庁幹部)との声が強まる中、顧客保護より自らの延命を優先させているように映る。

 

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