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【経済】

消費税10%きょうから 強まる個人課税 遠のく財政再建

消費税が10%に引き上げられ、軽減税率などが印字されたレシート=1日午前0時6分、東京都品川区のローソン大井店で(嶋邦夫撮影、一部画像処理)

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 消費税の税率が一日、8%から10%へ引き上げられた。安倍政権は膨らむ社会保障費をまかなうとして個人への課税を強める一方で、法人税率は引き下げてきた。増税の影響を緩和するための対策費も数多く盛り込んでおり、増税後も財政再建への道のりは遠い。米中貿易摩擦の影響で世界経済に暗雲が立ち込める中、消費が落ち込む恐れもある。 (吉田通夫)

 税率10%への引き上げは二〇一五年十月に予定されていたが、安倍政権は景気悪化などを理由に二度にわたって延期していた。

 高齢化で国の社会保障費は、この三十年間で年八千億円に近いペースで増えており、増税分を財源に充てる。安倍政権は二〇年一月から「サラリーマン増税」と言われる給与所得控除の見直しにも踏み切るなど個人への課税を強化。第一生命経済研究所の試算では、二〇年度は負担軽減策を考慮しても一世帯当たり年間で平均四万円の負担増となる。

 一方で企業の税負担は国際的に高いとして段階的に引き下げ、一五年三月まで34・62%だった法人税の実効税率は一八年四月から29・74%に軽減。法人の所得は急伸しているが、税収の伸びは鈍い。

 また、2%の消費税増税で増収を見込む五兆六千億円のうち四兆五千億円は新たな国債発行の抑制に充てる計画だったが、安倍政権は一七年の衆院選後に使途を変更。「借金減らし」を後に回し、幼稚園・保育園の原則無償化など子育て世代の負担軽減を打ち出した。高齢者中心の社会保障を子育て世代も含めた「全世代型」にすることで増税への理解を求めるが、財政再建は遠のいた。

 ポイント還元制度やプレミアム付き商品券など増税の影響緩和を名目にした財政出動も膨らむ。さらに、不安定な経済情勢での増税で消費が落ち込む懸念もあり、政府は経済対策を積み増す方針。歳出に歯止めがかからない恐れがある。

 

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