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【経済】

日銀短観、6年ぶり低水準 3期連続悪化 増税の影響懸念

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 日銀が一日発表した九月の企業短期経済観測調査(短観)は、代表的指標となる大企業製造業の業況判断指数(DI)が三・四半期連続で悪化し、約六年ぶりの低水準になった。米中貿易摩擦などによる海外経済の減速感から、輸出産業を中心に製造業の景況感悪化が続いていることを裏付けた。景気の先行きでは全産業で悪化を予想しており、海外経済の行方に加えて、消費税増税後に消費が落ち込むかどうかが景気の行方を左右する。

 短観では、代表的な指標の大企業製造業のDIが二ポイント悪化のプラス五。海外経済の減速の影響を受け続けている形だ。夏場の天候不順や、増税前の駆け込み消費が盛り上がりを欠いたため、大企業非製造業のDIも二ポイント悪化のプラス二一となった。今回の短観は、民間エコノミストらによる事前予測を上回った。また、大企業非製造業のDIや企業の設備投資額が引き続き高水準にあることなどから、日銀幹部は「国内景気の底堅さは維持されている」と評価する。

 駆け込み消費があまり起きなかったことで、政府内にも増税後の景気に対して楽観的な見方が広がっている。麻生太郎財務相は一日の会見で「今までのところ、前回のような大きな駆け込みがあったという話は挙がっていないし、駆け込みがなければ、その後の反動減もない」と説明した。

 三カ月先の景気を予測する「先行き」DIでは増税後の影響を大きく受けやすい「小売(大企業)」で五ポイント悪化。確かに税率が5%から8%に引き上げられた前回の増税直前の調査(二〇一四年三月)が二九ポイントの悪化だったのに比べると駆け込み消費がない分、悪化幅の予測も小さくなっている。

 全産業でみると、企業は先行きで六ポイント悪化を見込む。一四年三月調査の一一ポイントの悪化予測を下回ったものの、増税後の懸念は小さくない。

 物価の影響を加味した七月の実質賃金はマイナス1・7%(確報値)と七カ月連続で減少し、個人消費にとって逆風となっている。政府が予測する、駆け込み消費からの大幅な反動減は起きないとしても、みずほ証券の上野泰也氏は「増税は実質所得を減らす。消費の悪化がじわじわと起きかねない」と指摘する。 (森本智之、桐山純平)

 

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