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【経済】

原発2幹部 1億円超 関電受領 調査報告書

記者会見に臨む関西電力の八木誠会長(左)と岩根茂樹社長=2日、大阪市で(七森祐也撮影)

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 関西電力の役員ら二十人が福井県高浜町の元助役、森山栄治氏(故人)から金品を受領していた問題で、関電は二日、昨年九月に取りまとめた調査報告書を発表した。受領した金品の総額は三億一千八百四十五万円相当で、現金のほかスーツ券や金貨、小判形の金なども含まれ、一回で現金一千万円を受け取ったケースもあった。最多は鈴木聡常務執行役員の一億二千三百六十七万円で、豊松秀己元副社長の一億一千五十七万円が続いた。原子力事業本部で幹部を務めた二人で全体の七割超を占めた。

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 氏名公表は十二人にとどまり、調査当時に役員や組織の長でなかった八人は非公表。八木誠会長と岩根茂樹社長は記者会見で辞任を改めて否定した。今回の調査結果には不十分との批判が出ており、弁護士らによる第三者委員会を設置し年内をめどに新たな報告書を取りまとめる。

 今回の調査とは別に、送配電部門でも三人が計二百五十万円相当の商品券を受領していた。問題が拡大する恐れもある。

 森山氏と関係の深い建設会社「吉田開発」への発注額は二〇一三年度から一八年度までの六年で約六十四億七千万円に上ったが、適正だったと強調した。金品の提供が東日本大震災後に急増。森山氏は国会議員に広い人脈を有し、意に沿わないことがあると「発電所を運営できなくしてやる」とどう喝したという。

 八木氏と豊松氏が月額報酬の二割を二カ月、岩根氏が二割を一カ月それぞれ返上。岩根氏の判断で鈴木氏は厳重注意にとどめた。八木氏は計八百五十九万円相当、岩根氏も計百五十万円相当の金品を受け取っていた。

 八木氏は「原因究明と再発防止に全力を尽くすのが最大の責務だ」と述べた。岩根氏は九月二十七日の会見の説明不足を謝罪、金品受領が始まったのは一一年でなく〇六年と訂正した。関西経済連合会や電気事業連合会の役職も継続したい意向も示した。

 報告書は受領金額や回数が社会的儀礼の範囲を超え、金品を個人の管理下に置いたのは法令順守上問題があったと指摘した。

 関電の受領問題を巡っては、森山氏からの金品は個人で管理し、タイミングを見計らって返却するよう幹部らが口頭で対応を引き継いでいたことも判明した。

◇調査報告書骨子◇

・関西電力の役員ら20人が福井県高浜町の元助役、森山栄治氏(故人)から現金やスーツ券、金貨、小判形の金などを渡されていた

・総額は3億1845万円相当だった。鈴木聡常務執行役員が1億2367万円、豊松秀己元副社長が1億1057万円

・金額や回数は社会的儀礼の範囲を超える

・森山氏と関係の深い建設会社への発注工事は適正

・森山氏によるどう喝が金品を拒否できなかった背景

・多額の金品を個人の管理下に置き、法令順守上の問題があった

・社外からの無理な要求には、組織として対処する方針を役員間で徹底するよう提言

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