東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 経済 > 紙面から > 10月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【経済】

増税「時期最悪」嘆き 景気暗雲、再び「悪化」

 内閣府の景気動向指数の基調判断が再び「悪化」に落ち込み、経済の先行きに暗雲が垂れ込めてきた。消費税増税から一週間を迎え、消費の現場では財布のひもの固さが際立つ。小売りや外食業界から増税のタイミングが「最悪」と嘆きの声が上がった。

◆静かな週末

 消費税率が10%に上がって初の週末となった五、六日、百貨店や家電量販店は増税前の活況から一転して静かだった。東京都内の家電量販店では販売員が「先週、先々週に比べてレジの列が短い」とぽつり。特に増税前の駆け込み購入が多かった高額家電で売れ行きの悪さが目立つという。

 政府が大規模な負担軽減策を講じたこともあり、二〇一四年の前回増税時に比べて駆け込み需要が抑制的だったものの、小売り各社には反動減からの回復に時間がかかるとの懸念が広がっている。パルコの牧山浩三社長は「十二月くらいまで影響は長引くかもしれない」と語る。

 警戒感を強める背景には、個人消費自体の弱さがある。ワタミの渡辺美樹会長は七日の記者会見で、国内総生産(GDP)の伸びが縮小していることを念頭に「この時期の増税は最悪だ」と漏らした。高島屋も「景気の勢いが強くない中での増税の影響は厳しめに見る必要がある」と話す。

◆求人低下傾向

 政府はあくまで強気な姿勢を崩していない。西村康稔経済再生担当相は一日、景気の現状認識を問われ「雇用・所得環境は良く、企業収益も高い水準にある。内需を中心にファンダメンタルズ(基礎的条件)は非常にしっかりしている」と強調した。

 ただ、有効求人倍率は製造業の景況感悪化を背景に五月から低下傾向で、八月の景気動向指数の基調判断が引き下げられる一因ともなった。

 みずほ証券の末広徹シニアマーケットエコノミストは「求人倍率は一段と低下する可能性が高い」と指摘。景気は昨年秋ごろから後退期に入ったとの認識を示し「増税はタイミングが悪かったと批判が出るだろう」とみる。

 他の専門家の見方も厳しい。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の宮崎浩シニアエコノミストは、内閣府のまとめた消費者態度指数が九月まで十二カ月連続で悪化したことを挙げ「消費意欲はかなり慎重だ」と分析。海外景気が減速して輸出も停滞しているとして、日本経済を支えるためには「財政面で政策対応が必要だ」と訴える。

 東海東京調査センターの武藤弘明チーフエコノミストは米中の貿易摩擦が企業の景況感を冷やし、消費拡大を促す賃金の伸びも期待しにくいとみる。「景気は弱い状況が長引き、来年の春闘の賃上げ率は良くないだろう」と予測した。

写真
 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報