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【経済】

景気4カ月ぶり「悪化」 8月指数 増税前既に後退か

 内閣府は七日発表した八月の景気動向指数(速報、一致指数)で、基調判断を景気が後退した可能性が高いことを示す「悪化」に下方修正した。悪化の表現は四カ月ぶりで、消費税の増税を前に景気が既に後退局面に入っていた可能性がある。経営者や消費者の心理も悪化が続いており、政府は経済対策づくりを進めようとしている。

 指数は製造業を中心にした複数の統計を基に景気全体の動きをいち早く捉え、機械的に「改善」など五段階の基調判断を出す。「悪化」は最も低い評価。実際に景気が後退していたかは一年以上後の専門家の検証まで確定しないが、過去の悪化期間は景気後退期とほぼ重なっている。

 今回の下方修正は、米中貿易摩擦に伴う工業生産の減速などが理由。最近では三月に「悪化」となって四月も続き、五〜七月は「下げ止まり」に改善していたが、景気への下押し圧力が強まっていることが鮮明になった。

 ほかにも、増税後に発表した景気指標は悪化が続く。経営者の心理を示す九月の日銀企業短期経済観測調査(短観)は、代表的な指標の大企業製造業が三期連続で悪化。今後の財布のひもの緩み具合を示す九月の消費者態度指数は、過去最低の水準だった。

 第一生命経済研究所の新家義貴氏は「前回の増税時よりも景気の状況が悪いのは事実」と分析する。

 政府からは景気に神経質な発言が相次ぐ。先月下旬、安倍晋三首相は「リスクの顕在化に備える」、日銀の黒田東彦(はるひこ)総裁も「リスク予防的な対応を意識する」と、経済対策に前向きな姿勢を見せた。

 ただ、既に本年度予算などでキャッシュレス決済のポイント還元や公共事業の積み増しといった二兆円規模の対策をずらりと並べた。SMBC日興証券の宮前耕也氏は「十分な措置をしており、これ以上は過剰になりかねない」とくぎを刺している。 (渥美龍太)

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