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【経済】

関電 八木会長の辞任決定 社長は第三者委報告後

(左)岩根茂樹社長 (右)八木誠会長

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 関西電力役員らの金品受領問題で、関電は九日、臨時取締役会を開き、八木誠会長(69)の辞任を決めた。会長職は当面、空席とするとみられる。岩根茂樹社長(66)は残留して事態収拾に当たるが、年内にまとまる予定の第三者委員会の調査結果が出た段階で退く方向で調整している。電力関係者が明らかにした。

 八木氏は関西経済連合会の副会長も辞任する方向で、岩根氏も電気事業連合会の会長職を辞める。

 両氏は当初、続投に意欲を示していたが世論や政府の厳しい声に方針を転換、トップの進退に発展した。高浜原発が立地する福井県高浜町の元助役から役員らが約三億二千万円相当の金品を受領していた問題の責任を経営陣の刷新により明確にし、信頼回復を目指す。

 金品を受け取っていたのは原子力部門の幹部らが中心だった。後任の社長は、企画部門が長い森本孝副社長(64)や彌園(みその)豊一副社長(62)らを軸に今後調整するとみられる。

 関電の金品受領問題を巡っては、経済産業省が電気事業法に基づき類似事案の有無について報告を要請。大阪の松井一郎市長も株主代表訴訟の検討を表明するなど、関電の企業体質を問う声が相次いでいた。

 八木氏は原子力事業本部長などを経て二〇一〇年に社長に就任、一六年から会長を務めていた。岩根氏は、企画室長などを経て八木氏の後任として一六年に社長に就いた。八木氏は八百五十九万円相当、岩根氏も百五十万円相当の金品を受け取っていた。

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◆原発絡み 生かせぬ教訓

 関西電力高浜原発(福井県高浜町)に絡む金品受領問題の責任を取って、八木誠会長が辞任を決めた。原発を巡る不祥事や事故で大手電力のトップが退陣を迫られた教訓を生かせず、負の歴史が繰り返された。

 今回は、トップが高浜町の元助役から金品を受領するという自ら墓穴を掘った不祥事だ。八木氏は二日の記者会見で「会社がリスクを背負ってきちんと対応する仕組みがなく、社員に申し訳ない思いでいっぱいだ」と述べ、ガバナンス(企業統治)の欠如を露呈した。

 関西電力は二〇〇四年、十一人の死傷者を出した美浜原発(福井県美浜町)の蒸気噴出事故を起こした。当時の藤洋作社長が引責辞任、秋山喜久会長も〇六年に退任した。美浜原発では破裂した配管は運転開始から二十八年間点検されず、安全面の問題が相次ぎ露呈。原子力事業本部に経営トップの監視が行き届いていなかった点が問題視された。

 東京電力は〇二年の原発のトラブル隠し問題で、当時の南直哉社長と荒木浩会長らが引責辞任。一一年の福島第一原発事故では責任を取って当時の清水正孝社長が辞め、その後、勝俣恒久会長も退いた。

 一一年に発覚した九州電力の玄海原発(佐賀県玄海町)の再稼働を巡るやらせメール問題でも真部利応社長と松尾新吾会長が引責辞任した。

 

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