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【経済】

巨大IT 国家の脅威に 「リブラ当面認めず」G20閉幕

 【ワシントン=白石亘】二十カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議が十八日、閉幕した。米フェイスブック(FB)が主導する暗号通貨(仮想通貨)リブラに関し、規制が整うまで発行を認めないことで合意した。今回のG20は巨大IT企業が「主役」で、通貨発行や徴税権で国家を脅かす存在になりつつある。

 「われわれは民間企業が国家と同じ権力を持つのを許さない」。フランスのルメール経済・財務相は十八日、ワシントンで記者団にFB批判を展開した。

 投機目的の売買も多いビットコインと異なり、ドルなどを裏付け資産に持ち、価値が安定的とされるリブラ。銀行口座がなくても、スマートフォンで安く手軽に国際送金ができるという。

 FBは二十七億人の利用者を抱え、資金力も豊富で、国家に肩を並べるほどのパワーを持つ。黒田東彦(はるひこ)日銀総裁は「(リブラが)通貨に取って代わる存在になると、(自国通貨の弱い)新興国に懸念があるのは事実」と明かす。そこでマネーロンダリング(資金洗浄)など「深刻なリスク」の規制に加え、リブラが通貨発行を独占してきた国家の権限にどんな影響を及ぼすかも調べる。黒田総裁は「懸念にきちんと対応するまで発行されるべきでないとG20全体の合意ができている」と語る。

 一方、G20は巨大IT企業の行きすぎた節税を防ぐデジタル課税の新たなルールづくりも、全面的に支援すると確認した。物理的な拠点のない国での売り上げに応じ、利益の一部に課税できる仕組みを、経済協力開発機構(OECD)が検討しており、来年一月までに制度の大枠合意を目指す。

 ハイテク企業はデータなどの無形資産を国境を越えて自由に流通させ、ビジネスを行う。このため国内に事務所や工場の拠点がある企業から、税金を徴収する従来型のルールは立ちゆかなくなっている。また先進国では独占禁止法違反の疑いで巨大IT企業の調査も始まり、国家との攻防はますます激しくなりそうだ。

 

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