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【経済】

銀行、利ざやで稼げず 口座維持手数料 欧米は導入進む

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 銀行が口座維持手数料の導入を検討するのは、金融緩和による低金利政策が長期化し、利ざやで稼ぐことが難しくなって経営が苦しいためだ。日銀は今月三十、三十一日に、消費税率引き上げ後初めての金融政策決定会合を開く。海外経済の不透明さを理由に追加の金融緩和に踏み込めば、銀行はマイナス金利などの影響で収益がさらに悪化するだけに、行方が注目される。

 口座維持手数料は、欧米が先行している。日銀が昨年十月に公表した「金融システムリポート」によると、米国では二〇〇八年のリーマン・ショック後に導入する銀行が増えた。例えば、大手ウェルズ・ファーゴは預金残高が千五百ドル(約十六万円)未満の個人口座などを対象に、毎月十ドル(約千八十円)を徴収する。

 米国ではリーマン・ショック後に低金利の環境が長期化。銀行の収益が悪化する中で、さまざまな手数料が引き上げられたが、他のサービスと抱き合わせるなどして顧客の理解を得ながら手数料収入を確保しているという。日銀のリポートは、日本の銀行も「提供するサービスの適正対価に関する顧客の理解を得ていくことが望まれる」と結んでいる。

 日本より先にマイナス金利政策を始めた欧州でも、口座維持手数料が広がっている。ロイター通信によると、スイスの金融大手クレディ・スイスやUBSは十一月から、残高二百万フラン(約二億二千万円)を超す口座に0・75%の手数料を課す。預金が多いほど銀行のもうけも大きくなる仕組みで、収益の改善を目指す。

 日本での口座維持手数料導入について、一つの案に挙がるのが長期にわたって放置されている「休眠口座」への徴収だ。りそな銀行は〇四年から、原則として二年以上利用のない残高一万円未満の口座に年間千三百二十円を課している。最終的に口座残高がゼロになると、解約される仕組みだ。

 金融庁幹部は「(銀行の厳しい経営環境など)今の状況を考えれば、口座維持手数料の導入は時間の問題ではないか」と指摘した。 (森本智之)

 

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