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【経済】

かんぽ不正、郵政株売れず 株価下落、震災復興財源ピンチ

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 政府が東日本大震災の復興財源を捻出するために計画してきた日本郵政株式の売却が、暗礁に乗り上げている。財務省は二〇二二年度までに売却する予定だが、郵政の株価が、子会社かんぽ生命保険の保険販売をめぐる不祥事で下落したためだ。金融庁はかんぽに立ち入り検査中で、さらに株価が下がって財務省と利害が衝突する懸念が浮上。財務省と金融庁の双方を束ねる麻生太郎財務相兼金融担当相の対応が注目される。 (桐山純平)

 郵政株約57%を保有する政府は今年四月に株の売却準備に入った。政府の持ち株比率を、郵政民営化法が規定する下限の「三分の一超」まで下げる方針で、五月に売却の実務を担う証券会社を選んだ。

 政府は三十二兆円の復興財源のうち四兆円を郵政株の売却で工面する計画。これまでに二兆八千億円分の売却を終えており、今回は残る約一兆二千億円を捻出する予定だ。

 ただ、一兆二千億円を確保するには、十億株あまり(23%強に相当)の郵政株を一株千二百円近くで売らなければならない。これに対し、三十日の終値は千一円。六月にかんぽで保険の不適切な販売が発覚し、株価が下落したためだ。財務省理財局の担当者は「株式市場の動向と郵政の経営状況から売却時期を判断したい」と話すのみだ。

 金融庁が検査を終えて処分を下せば、さらに株価が下がり、財務省による株式売却が一層難しくなる可能性もある。株価の下落を避けたい財務省と、かんぽのうみを出したい金融庁との利害が対立する構図だ。

 青山学院大学の八田進二名誉教授は「両省庁の利害が対立しかねないからこそ、政府には誰が見ても公正で透明性のある対応が求められる」と指摘。麻生氏は記者会見で両省庁の利害対立について問われ、「(かんぽは)金融の中で最も大事な顧客との信頼関係が失われており、信頼を取り戻すのが先決だ」と、金融庁検査を重視する考えを強調した。

 

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