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【経済】

「イートイン脱税」混乱 店は申告頼り スペース撤去、コップで区別

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 消費税率引き上げに伴い軽減税率が初めて導入されてから一カ月が過ぎた。コンビニや飲食店では、税率が8%の持ち帰りと10%の店内飲食の区別が混乱を生んでいる。「店内飲食する」と申告せずに持ち帰り価格で購入し、差額の税率2%分を払わないまま店内で飲食する客が続出。インターネット上で「イートイン脱税」と呼ばれて消費者に不公平感が広がっており、店側は対策に追われている。 (嶋村光希子、大島宏一郎)

 「お客さんの八〜九割が持ち帰り価格で買って、何も言わずにイートインスペースを利用している。注意もできず黙認するしかない」

 東京都中野区のコンビニ店主、伝田雄亮さん(39)はため息まじりに話す。店内の一角に長机と椅子七席があり、紙ナプキンやごみ袋も用意。近くに食事できる場所は少なく、サラリーマンや学生らでにぎわう。持ち帰りの税率で買ったチキンを食べていた男子大学生(19)は「レジで何も言われなかったし。そんな制度知らない」。

 国税庁によると、店が軽減税率ではない10%と判断するのは、客が会計時に「イートインスペースを利用する」と申告した場合。ただ、大手コンビニでは店員の負担を軽くするため、会計時に店内飲食か持ち帰りかを客に聞いておらず、代わりに申告を呼び掛ける貼り紙をしている。コンビニ八社が加盟する日本フランチャイズチェーン協会(JFA)の伊藤広幸専務理事は「客に申告してもらえると思い、こうした事態を想定できていなかった」と困惑する。

 店側は対策に追われている。茨城県内のコンビニでは、申告せずに利用する人が相次ぎ、増税後わずか三日でイートインスペースをやめた。男性店主(61)は「きちんと店内飲食の価格で利用する人から、無申告で使う人を見て『不公平だ』と苦情が来たため」と明かす。

 ドトールコーヒーショップは、持ち帰りは紙コップ、店内は陶器やガラスのコップで提供する。店内だが紙コップを求めた客に対しては、「EAT IN(イートイン)」と書いた赤いシールを貼って示す。広報担当者は「10%価格で支払い店内で紙コップを使う利用客に、他の方からの視線で肩身の狭い思いをしないように導入した」と話す。

 JFAは申告を呼び掛ける貼り紙に加えて、加盟社のコンビニで会計時の申告を求める店内放送をすることを決めた。

 ネット上などで「イートイン脱税」との言葉が広がるが、菅原草子弁護士は「そもそも消費税を国に納めるのは店であり、客は脱税する立場にはない」と指摘。その上で「申告を消費者に委ねた制度では、混乱を予想できたはずだ」と話した。

茨城県内のコンビニでイートインスペースの廃止を案内するポスター

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