東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 経済 > 紙面から > 11月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【経済】

ヤフーとLINE統合へ ソフトバンク買収視野

写真

 ソフトバンクがヤフーを展開するグループ会社のZホールディングスを通じ、無料通信アプリを手掛けるLINE(ライン)と包括提携する検討に入ったことが十三日、分かった。LINEをZホールディングスと経営統合させ実質的に買収することを視野に交渉している。ソフトバンクとLINE親会社の韓国IT大手ネイバーが折半出資する新会社を設立することを検討。月内の合意を目指す。

 提携によりソフトバンクグループは、LINEの顧客基盤や技術を活用してサービスを強化する狙いがある。東京証券取引所第一部に上場するLINEの時価総額は約一兆一千億円で、IT業界の勢力図が変わりそうだ。

 ソフトバンクとヤフーは、ネットを経由した商品の購買履歴や検索結果などのデータを用いた広告ビジネスを成長事業の柱に据えている。LINEは国内で八千万人超の利用者を抱え、効果的な広告配信の技術にも強みがあり、アプリには多くの企業が広告を出している。ソフトバンクは格安スマートフォン会社のLINEモバイル(東京)に51%を出資するなど一部で協力関係にある。

 一方、LINEはスマホ決済「LINEペイ」の販促費や人工知能(AI)開発に向けた投資負担などが重荷となり、二〇一九年一〜九月期連結決算は純損益が三百三十九億円の赤字だった。巨額の先行投資を続けるのは難しく、ソフトバンクからの出資を受け入れ経営体力を強化する。

 ソフトバンクグループでは、大型の資金拠出が続いている。ヤフーがネット衣料品通販大手のZOZO(ゾゾ)を約四千億円で子会社化。ソフトバンクグループの九月中間連結決算は、投資事業で巨額の損失を計上し、本業のもうけを示す営業損益が百五十五億円の赤字に陥った。共有オフィス運営の米ウィーカンパニーへ出資を含む最大九十五億ドル(約一兆円)の支援策を決めており、財務状態の悪化を懸念する声もある。

◆スマホ利用者と接点拡大

<解説>

 ソフトバンクが、グループ会社のZホールディングスとLINE(ライン)との経営統合を目指すのは、無料通話アプリなどスマートフォンを使ったLINEのサービス利用者との接点を拡大するためだ。膨大なインターネットの閲覧履歴を活用した広告事業などを新たな収益源に育てる狙いとみられる。

 ソフトバンクのグループ内では、ヤフーのサイトがネット利用者と接する窓口の役割を長年担ってきた。ただパソコンからスマホへの転換に出遅れ、現在の月間利用者は約五千万人。事業エリアも国内にとどまる。

 一方、LINEのアプリはスタート時点からスマホでの使用を想定し急拡大した。今では国内で八千万人、タイなども合わせると主要国で計一億六千万人超が日常的に使う。無料通話やメッセージのやりとりだけでなく、音楽や漫画なども楽しむことができる。利用者との接触を狙って多数の企業が掲載する広告がLINEの収益を支えており、ソフトバンクは今回の買収で広告事業の強化を図る。

 LINEは新興企業の機動力を生かし魅力的なサービスを次々に展開してきた。大手グループの傘下に入った後も、その姿勢を堅持できるかが課題となりそうだ。 

  (共同・早田栄介)

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報