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【経済】

国産巨大ITへ道 ヤフー・LINE統合協議

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 検索のヤフーを手掛けるZホールディングス(HD)と無料通信アプリのLINE(ライン)が経営統合の協議を進めている事実を認めた。主導するのはZHDの親会社ソフトバンク。世界を席巻する米中の「プラットフォーマー」に対抗するのが狙いだ。国産巨大ITへの道が切り開かれ、業界の勢力図が塗り替わる可能性も出てきた。

 ソフトバンクグループは九月中間連結決算で、投資事業の巨額損失により営業赤字に陥った。「反省はするが萎縮はしない」。孫正義会長兼社長が反転攻勢への一手として温めていたのが今回の統合だ。

 ソフトバンクは国内の携帯電話事業が頭打ちとなる中、新たな収益源の発掘を急ぐ。その実行部隊がZHDだ。アマゾンジャパンや楽天に後れを取るインターネット通販をてこ入れするため、衣料品通販のZOZO(ゾゾ)を買収。急成長するスマートフォン決済では「ペイペイ」拡大で独り勝ちを狙う。LINEとの統合は、弱点とされる会員制交流サイト(SNS)を補完する意味合いを持つ。

 国内で抜群の知名度を誇るLINEも成長の壁に直面。通信アプリの利用者数は八千万人を超え国内最大だが、市場の飽和が近い。スマホ決済は強豪同士の消耗戦に陥り「今後は事業者の淘汰(とうた)が進む」(アナリスト)とみられている。

 インドネシアなどでもサービスを展開するが、宣伝広告を十分に打てず利用者は減少。ソフトバンクグループはアジアで有力な配車大手などにも出資しており、証券関係者は「相乗効果は高い」と指摘する。

 孫氏が統合の先に見据えるのが、国産プラットフォーマーへの夢だ。グーグルなど米IT大手は日本市場にも浸透し、ネット閲覧履歴など利益の源泉となる個人データを大量に握る。中国のアリババグループや騰訊控股(テンセント)もスマホ決済などを足掛かりに独自の経済圏を広げる。

 金融関係者は「ソフトバンクはプラットフォーマーについてかなり勉強している」と明かす。ヤフーなどの傘下企業とLINEの連携を強化し、互いの利用者を行き来させる仕組みの構築を目指すとみられる。

 ソフトバンクグループに対し、競合する国内勢はどんな戦略を描くのか。楽天は携帯事業の本格参入でつまずいた。メルカリは、スマホ決済や米国事業が重荷となり赤字が続く。ある市場関係者は「巨大企業に対抗するには規模拡大しかない。今後も合従連衡が進むだろう」と予測した。

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