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【経済】

車関税 日米食い違い 日米貿易協定を国会承認

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 日米貿易協定の承認案が四日の参院本会議で自民、公明などの賛成多数で可決された。協定は来年一月一日に発効する見通し。牛肉など米国の農産物が安く輸入される一方で、継続協議となった米国向け日本車の関税をめぐっては、米国は撤廃は前提でないとの見方を示しており、発効を前に日米の見解が食い違っている。

 発効後は米国産牛肉の関税が38・5%から段階的に9%に下げられるほか、ワインなどの関税も最終的に撤廃される。日本の燃料電池やメガネなど百五十品目の工業品の関税も最終的に撤廃される。

 国会審議では、協定で「関税撤廃についてはさらなる交渉の対象となる」と定められた日本車や同部品の扱いの解釈が焦点となった。日本政府は「関税撤廃を明記し、撤廃が前提だ」(安倍晋三首相)と主張した。

 野党は「さらに交渉するとしか書いておらず、撤廃は約束されていない」と疑問を呈し、日本側が一方的に譲歩したと批判。両首脳の発言内容など資料の提出を要求した。政府は難色を示し、事実認識で折り合わないまま審議を終えた。

 米国は九月に協定案が合意された後、ライトハイザー通商代表部代表が「協定に日本車や部品は含まない」と話し、関税撤廃は前提でないとの立場を示した。

 日本政府は国内経済への影響や関税撤廃率の試算でも、米国向け日本車や同部品を含んだ数字しか公表していない。一方、米国産の農産物の輸入増に伴う市場価格の下落で、牛肉で最大四百七十四億円、乳製品で同二百四十六億円などの国内生産減少を見込み、五日にも対策を閣議決定する。

 協定承認案の審議は衆院で十四時間、参院は十二時間。二〇一六年の環太平洋連携協定(TPP12)審議の二割にとどまり、大統領選前に成果を急ぐトランプ米大統領に配慮した格好だ。

 四日の参院本会議では、国が企業にサーバーの移転を要求することなどを禁じる日米デジタル貿易協定の承認案も可決された。 (皆川剛)

 

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