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【経済】

20年 海洋プラごみ考える ペットボトルから缶へ

東京・お台場の美術館に設置された缶入り飲料水を販売する自動販売機=チームラボ提供

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 海洋プラスチックなど環境問題への意識が高まる中、ペットボトル商品の販売をやめ、缶入りに切り替える動きが広がってきた。プラスチックごみの大量排出国の日本には世界から厳しい目が向けられており、二〇二〇年、缶へのシフトが加速する可能性がある。

 外国人観光客に人気の東京・お台場の美術館「森ビルデジタルアートミュージアム:エプソン チームラボボーダレス」。最先端の作品群が広がる館内の一角の静かな休憩スペースに置かれた自販機内の飲料水はアルミ缶入りだ。二〇一九年九月にペットボトルの商品から切り替えた。

 チェコから来た男子高校生(18)は「ナイス! プラスチックを使わないのは地球のためにいいことだよ」と好感を持った様子。大阪府豊中市の会社員江崎佐奈さん(34)は「缶の水は初めて。レジ袋の有料化もそうだけど、こうした取り組みが進むといいですね」と期待する。施設の担当者によると、お土産に買っていく人も多いという。

 缶は一度開けると閉められないのが弱点だったが、開閉可能なスクリューキャップのアルミ缶の登場で弱点を克服。プラごみ削減を追い風に一四年以降、アルミ缶の国内年間消費量は二百億缶の大台を超えて推移している。リサイクル率も九割超で、利便性と環境性を兼ね備えた容器として評価されているようだ。

 動きは官民で広がる。神奈川県の鎌倉市は一九年、庁舎内の自販機でペットボトルの扱いをやめ、缶や紙コップの商品に変更した。大阪府豊中市も同様だ。

 富士通は社内の自販機千五百台でペット飲料の販売を一九年いっぱいで終了した。今年三月までに国内のグループ会社でも対応を終える。年間約七百万本のペットボトルが削減可能という。

 国連環境計画(UNEP)によると、日本の国民一人当たりのプラスチック容器ごみの排出量は年間約三十二キロで、米国に次いで世界二位。削減に向けた実効性のある取り組みが迫られている。

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<プラスチックごみ> ペットボトルやレジ袋、食品の包装材といったプラスチック製品の廃棄ごみで、国内の排出量は年間約900万トン。回収後はペットボトルの原料やフリース素材、発電用燃料などに大半が有効活用されている。不法投棄によって一部がプラスチックごみとして海に流出し、海洋生物がのみ込むなど生態系に悪影響が出ており、世界的な環境問題になっている。

 

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