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【経済】

責任不明確、経営介入も 相談役・顧問報酬、開示6社のみ

 社長などを経験した相談役・顧問に報酬を支払っている上場企業が612社あり、そのうち個人ごとの金額を明らかにしているのは6社にとどまることが本紙の調査で分かった。権限や責任が不明確にもかかわらず、経営に介入する恐れも指摘される相談役・顧問に関し、情報開示に後ろ向きな企業の姿勢が浮き彫りになった。 (桐山純平)

 証券取引所が上場会社に毎年の提出を義務付け、公表しているコーポレート・ガバナンス(企業統治)報告書を本紙が集計した。今月六日までに提出された直近一年間の報告書によると、上場企業三千七百八十一社のうち、六百十二社が相談役・顧問ら計八百人に報酬を支払っていた。ただ、六百六社の大半はその事実を記載するだけで、詳細は伏せていた。

 こうした対応が多いのは、相談役・顧問の人数や報酬、役割などについて、コーポレート・ガバナンス報告書への記載方法が企業側の裁量に委ねられているからだ。元社長の室町正志特別顧問に報酬を払う東芝は、個別の額を開示しない理由について「法律で義務付けられていないため」(広報担当者)と説明した。同社を巡っては、二〇一五年に不正会計が発覚した際、二十人いた相談役らの存在が問題視された経緯がある。

 一方、個別の報酬を開示するのは六社で、相談役らに報酬を支払う全企業の約1%だった。そのうち自主的に開示していたのは四社。残る二社は、相談役らが10%以上の株主や役員の近親者であるため、有価証券報告書への記載を義務付けられている。

 報酬を自主開示する玩具メーカーのピープルは「(企業の)透明性を高めるためだ」(IR担当者)と理由を説明した。

 一社当たりの相談役・顧問の最多人数は、大手金融グループの三菱UFJフィナンシャル・グループと三井住友トラスト・ホールディングスの各十一人だった。三菱UFJの広報担当者は「年間二千万円という報酬の上限は開示しており、個別の金額がなくても一定の透明性を確保している」と指摘。人数についても「合併前から必要な財界活動などの業務がある」として、適正規模だと強調した。

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