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【経済】

実情に応じ賃上げを 横並び脱却求める 経労委方針

 経団連は二十一日、二〇二〇年春闘での経営側の指針となる「経営労働政策特別委員会報告」(経労委報告)を発表した。報告は「賃上げのモメンタム(勢い)の維持に向け、各社一律ではなく自社の実情に応じて前向きに検討していくことが基本」との方針を示し、業界横並びの集団的な賃金交渉が「実態に合わなくなっている」と指摘した。

 月給の水準を引き上げるベースアップ(ベア)は「選択肢となり得る」と明記し七年連続でベアを容認する方針を示したが、昨年に続き、ベアの具体的な数値目標には触れなかった。

 報告の序文で経団連の中西宏明会長は、今春闘での労使の議論について「働き手の自主性と主体性を高めるエンゲージメント(やりがい)の向上が中心的課題だ」と指摘。その上で「新卒一括採用、終身雇用、年功型賃金など旧来型の雇用システムの見直しも必要」と明記した。併せて「社員が働きやすい職場環境の整備が大きな焦点になる」とも強調、労使に幅広い分野の議論を呼び掛けた。

 経労委の大橋徹二委員長(経団連副会長)はこの日の記者会見で、賃上げについて「輸出産業などの一部は(業績が)厳しいところもあるが、非製造業では好調な社もある。自社の実情に応じた(賃上げを)検討をしてほしい」と述べた。

 連合は十二月の中央委員会でベアを2%程度、定期昇給分を含めた賃金の上昇率を4%程度にするよう求める方針を決めた。これに対し、経労委報告は「要求目的が多岐にわたり、内容が細分化されたことでわかりにくい面がある」とけん制した。

 労使の方針が出そろい、今春闘は、二十八日に予定される経団連と連合の両トップによる会談で本格的な交渉がスタート。大手企業の回答が集中する三月十一日にヤマ場を迎える。 (中沢幸彦)

 

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