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【経済】

技術、人材囲い込み問題視 GAFA買収戦略 米が調査へ

 【ワシントン=白石亘】米独占禁止当局が巨大IT企業による買収の調査に乗り出す。将来の脅威になりそうな新興企業を傘下に収め、技術や人材を手に入れる「ライバルつぶし」とも言える戦略を問題視した。「規制当局がハイテクの巨人に宣戦布告した」(米メディア)と評される背景には米議会からの圧力もあり、巨大IT企業への包囲網が狭まりつつある。

 「すべての選択肢がテーブルの上にある」。連邦取引委員会(FTC)のシモンズ委員長は十一日、電話会見で力を込めた。買収によって競争を妨げたと判断すれば、過去の買収を巻き戻し、企業分割を命じる可能性を示唆した。

 対象は「GAFA」と呼ばれるグーグルの持ち株会社アルファベット、アマゾン・コム、フェイスブック(FB)、アップルと、マイクロソフトの五社。過去十年で数百件に及ぶ企業買収に関し、目的や買収先の企業が持つデータの取り扱いなど詳細な報告を求める。

 巨大IT企業にとって買収は成長戦略の柱だ。例えば、FBは二〇一二年、写真共有アプリ「インスタグラム」を買収。当時、社員わずか十数人の会社に十億ドル(当時のレートで約八百億円)もの大金を投じたと話題になったが、インスタは今や収益の柱だ。GAFAは今も人工知能(AI)などの分野で技術や人材の囲い込みに買収を繰り返す。

 だが、買収をテコにデジタル市場を支配する巨大企業への不満は根強い。先月、議会公聴会で証言した新興企業の経営者は「インターネットは、独占的な力を制限なく行使できる一握りの巨大ハイテク企業によって植民地化された」と訴えた。これまで買収を認めてきた規制当局への風当たりも強まっている。

 米下院司法委員会のナドラー委員長は昨年十一月、FTCと司法省への公聴会で「ハイテク分野で規制当局が重要な独占案件を手掛けてから数十年が過ぎた」と不満を示し、「合併への手ぬるい対応が、デジタル市場で有害なレベルでの力の集中を許したのを深く懸念している」と批判した。

 規制当局による調査とは別に、議会自らも反トラスト法(独禁法)違反の疑いでGAFAを調査しているが、米CNBCテレビは下院反トラスト小委員会が四月にも報告書をまとめると報じており、調査は重要な局面に差しかかってきた。

 

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