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【経済】

日産、11年ぶり赤字転落 10〜12月期 北米など販売不振

決算発表の記者会見をする日産の内田誠社長=13日、横浜市西区で

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 日産自動車は十三日、二〇一九年十〜十二月期決算の純損益が二百六十一億円の赤字になったと発表した。同時期で赤字になるのはリーマン・ショックがあった〇八年以来、十一年ぶり。日本や北米などの販売不振が主な理由で、これに伴って通期の業績予想を下方修正し、期末の配当見送りを決めた。 (生島章弘)

 横浜市内の本社で記者会見した内田誠社長兼最高経営責任者(CEO)は「足元の業績が想定以上に悪化している」と指摘。西川(さいかわ)広人前社長時代に策定し、既に進めている一万二千五百人規模の人員カットに加え、さらに「踏み込んだ固定費削減」に取り組む意向を表明。五月にまとめる予定の中期経営計画に盛り込む考えを示した。

 新型コロナウイルスによる肺炎(COVID19)の感染拡大を巡っては、日本国内の一部工場で稼働を見合わせるなどの影響が出ていると説明する一方、「二月の減産は三月以降に振り替えて挽回する。代替部品などの(調達)プランは持っており、リカバリーを図っている」と語った。

 二〇年三月期業績予想を下方修正し、売上高を従来の十兆六千億円から十兆二千億円に、純利益は千百億円から六百五十億円とした。二〇年三月期の世界販売台数見通しは五百二十四万台から五百五万台に引き下げた。一九年四〜十二月期の純利益は前年同期比87・6%減の三百九十二億円だった。

◆シェア好調維持「稼ぎ頭」の中国市場 新型肺炎の影響で暗雲

 日産自動車が世界的な販売不振から、第三・四半期決算としては十一年ぶりの赤字に転落した。前会長のカルロス・ゴーン被告が会社の資金を私的流用したとされる事件を引きずり、傷ついたブランドイメージの立て直しに手間取っているのが実情だ。そのうえ、新型コロナウイルスによる肺炎(COVID19)の感染拡大で主力市場・中国の経済成長鈍化は避けられず、業績回復の展望は開けていない。

 「足元の販売減、それに伴う業績の悪化は残念ながら想定を超えている」。内田誠社長兼最高経営責任者(CEO)は十三日、決算発表の記者会見で強調した。二〇一九年四〜十二月期の販売台数は前年同期と比べ、日本が6・9%減、北米は10・2%減と大きく落ち込んでおり、一連の事件などで負った傷の深さをうかがわせた。

 主力市場で唯一、気を吐いたのは、内田氏が社長就任前に現地法人トップを務めていた中国だ。販売台数こそ微減だったものの、シェアは0・6ポイント伸ばすなど好調さを維持しており、日産にとっての「稼ぎ頭」になっている。

 もっとも、中国はCOVID19終息の見通しが立っておらず、今後の経済情勢には暗雲が立ち込める。さらに、中国製部品の供給が滞ることで、日本国内の工場で稼働を見合わせる動きが出ており、事態の長期化は生産体制の不確実性も高めかねない。

 内田氏は高コスト体質の是正などの構造改革を一層進める考えを示し、「覚悟をもって経営にあたっていく」と決意を表明した。ただ、西川広人前社長時代に経営再建策の策定に携わり、昨年十二月の新体制発足で副最高執行責任者(COO)に就いた関潤氏が退社するなど、混乱続きの印象はぬぐえない。足元の業績回復もおぼつかなければ、求心力低下に直結する。 (生島章弘)

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