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【経済】

日本経済、負の連鎖に GDP急失速 消費増税→新型肺炎2期連続マイナスか

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 内閣府が十七日発表した二〇一九年十〜十二月期の国内総生産(GDP)は、消費税増税の影響だけでなく企業の設備投資も減少に転じ、一年三カ月ぶりのマイナス成長となった。最近では、新型コロナウイルスによる肺炎(COVID19)の感染が拡大し、訪日観光客の消費や企業の生産活動にも影を落とす。日本経済は負の連鎖に直面、GDPが二期連続マイナスに陥る懸念もある。 (大島宏一郎、渥美龍太)

■数字以上に悪い

 「増税後に売れ行きは伸び悩んだ」。大手家電量販店の広報担当者は増税の悪影響を口にした。十二月の売上高は前年比で四分の一も減少。東京五輪を前にしたテレビの販売増で反転を期している。

 GDPの六割近くを占める個人消費は、前期比2・9%減と一四年の前回増税時以来の下げ幅となった。民間部門の弱さは消費にとどまらない。もうひとつの柱の設備投資は3・7%減となり、住宅投資も2・7%減に落ち込んだ。

 海外部門では、消費が弱いために輸入が2・6%減った。GDPは国内で新たに生み出した価値の合計なので、海外企業が生んだ価値に当たる輸入は差し引く。輸入減で成長率が計算上押し上げられている構図で、「実態は見た目の数字以上に悪い」(エコノミスト)との指摘もある。

■コロナウイルス

 先行きは新型コロナウイルスの感染拡大の影響が広がりつつある。街角で景気の先行きを聞く一月の景気ウオッチャー調査でも「インバウンド(訪日客)の消費が弱まる」(東京都の百貨店)との懸念が相次いだ。

 中国人客が「爆買い」をする光景が見られた秋葉原でも、変化の兆しがある。ヨドバシカメラでは例年なら春節(旧正月)の時期に中国から多くのバスツアー客が訪れたが、今年は一月下旬から二月上旬の売上高が前年比で15%減った。別の量販店でも「最近はあまり中国人客を見かけない」(男性店員)という。

 製造業企業にとっても中国は現地生産や輸出が多く、経済が落ち込めば影響が大きい。切削加工を手掛ける中小企業、富士精器(東京)の藤野雅之社長は「コロナウイルスの問題が起きてから中国関連の取引が止まった」と明かす。

■最長に終止符?

 民間エコノミストの多くは今後の景気を「コロナウイルスの広がり方次第」との見方だ。三菱UFJリサーチ&コンサルティングの小林真一郎氏も「イベント中止などで国内消費への悪影響が広がれば、次期にプラス成長に転じられるか微妙な状況になる」とみる。

 増税影響からの反転を目指す政府も「二期連続のマイナス成長となればインパクトは大きい」(内閣府幹部)と身構える。これまで強調してきた「戦後最長の景気拡大」が、感染の拡大で終わるシナリオも現実味を帯びかねない。

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