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【経済】

中国依存、リスク浮き彫り アップル直撃、下方修正 世界中の販売影響へ

 【ニューヨーク=共同】米アップルは十七日、肺炎を引き起こす新型コロナウイルスの感染拡大で二〇二〇年一〜三月期の売上高予想を達成できない見通しだと発表した。主力の「iPhone(アイフォーン)」は主に中国で委託生産。アイフォーンの供給が不足していることに加え、中国市場で需要が落ち込んだ。新型肺炎は米経済をけん引するIT大手を直撃し業績を圧迫。世界の主要企業に影響が拡大する恐れがある。

 アップルは一月二十八日、一〜三月期の売上高見通しを六百三十億〜六百七十億ドル(約六兆九千億〜七兆三千億円)と発表。前年同期比9〜15%増に相当する。

 アップルは十七日「業務は再開され始めているが、予想したより通常状態に戻るのが遅れている」と説明した。新たな業績予想は出さなかった。売上高の予想を下方修正するのは二年連続で、いずれも中国が要因だ。生産、販売ともに中国への依存度が高いことのリスクが浮き彫りとなった。

 アイフォーンの生産拠点は武漢市を含む湖北省以外にある。ロイター通信によると、主力工場で十日に生産再開が許可されたが、戻った従業員は一割程度にとどまった。世界的に供給が一時的に制限され「世界中の売り上げに影響する」と分析した。

◆日系企業、本格生産遠く 移動制限で回復遅れ

 【上海=白山泉】新型コロナウイルスによる肺炎の感染が拡大する中国で、大都市の企業の営業規制が解かれてから一週間以上が過ぎた。中国政府が防疫対策で実施する人の移動制限により、サプライチェーン(部品の供給・調達網)の回復が遅れている。現地の日系企業も徐々に生産を再開しているが、本格生産にはまだ時間がかかる。

 トヨタは中国の四工場のうち、十七日に広東省と吉林省の二工場、十八日に天津工場で生産を再開。部品の調達や物流、従業員の安全などを考え、生産時間を半分に減らしている。

 ホンダは広東省の工場で部分的に生産を開始。武漢市の工場は二十一日に従業員が出勤を始め、安全を確認しながら二十四日の週に生産を再開する計画だ。「部品の供給状況を見ながら徐々に稼働率を上げていく」(広報)というが、本格生産の見通しは立たない。

 十八日の中国経済紙「21世紀経済報道」は、「防疫対策のための人の移動制限が企業の従業員不足を招いている」と指摘。農村出身の労働者「農民工」が帰省先から帰還しているのは、三億人のうち八千万人にとどまっているという。

 上海に拠点のある日系企業でつくる「上海日本商工クラブ」が十四日に公表した調査によると、サプライチェーン上の問題は既に54%の企業で生じているほか、操業停止が続く場合は約30%の企業が「代替生産が不可能」と答えた。

 上海市は十五日、経済的な結び付きの深い浙江、江蘇、安徽の各省から上海に戻った運転手に対し、自宅での隔離を免除する措置を実施。これまで上海市外にトラックで荷物を届けた運転手は、同市に戻った際に二週間の自宅隔離をする必要があり、物流が停滞する要因となっていた。

 日本貿易振興機構(ジェトロ)上海事務所の小栗道明所長は「部品も運べない状況は改善された」と歓迎する一方、「上海のタクシーが市外に出ることを禁止するなど、人の移動が再び厳しくなってきている」という。

 

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