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【経済】

分身ロボと会社で働く 障害や病気の人 遠隔操作で業務

実証実験で来訪者役の女性を案内する「OriHime−D」=東京都千代田区で

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 NTTは二十日、重い障害がある人たちに分身ロボットを通じて本社の受付として働いてもらう実証実験を始めた。分身ロボットを活用して障害者が企業で勤務する取り組みは初めて。三月三十一日まで働いてもらい、課題や効果を検証した上で、障害によって外出が困難な人たちの新たな雇用機会の創出につなげる。 (岸本拓也)

 「昨日、病院のお庭にミモザの花がすごく咲いていました」。東京都千代田区のNTT本社で公開された実験では、高さ百二十センチほどの白いロボットが、会話しながら来訪者役の女性を応接室へ案内した。

 ロボットを通じて話していたのは、大阪府内の病院に入院している坂本絵美さん(39)。重い心臓病で病院の外に出ることができないが、インターネットを通じて遠く約四百キロ離れたロボットを動かし、カメラやマイク越しに会話した。

 約三年前に入院し、日中はほぼベッドに寝たきりの坂本さんだが、足に障害のある愛知県の伊藤祐子さん(54)と交代で、月曜日から金曜日の午後一〜四時まで受け付け業務を担う。この日はテレビ電話で報道陣の取材にも応じ、「長期入院で社会から断絶された気持ちだったが、働くことで一歩前に踏み出した感じ」と話した。

 NTTダイバーシティ推進室の池田円室長は「体が不自由な方が就労できる分身ロボットの取り組みには無限の可能性がある」と話し、ロボットを活用した障害者雇用を検討する。

 分身ロボット「OriHime(オリヒメ)−D」は、ベンチャー企業「オリィ研究所」(東京)が開発。これまでカフェでの接客などに利用されてきた。吉藤健太朗所長は「障害者を雇用したい企業はたくさんあるが、体の動かない人を雇う方法を知らない。実験を通じて『分身ロボットなら、うちの会社でも働いてもらえるかも』という考えが広がれば」と話した。

坂本絵美さん(左)と伊藤祐子さん=いずれもオリィ研究所提供

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