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【経済】

新型肺炎 「アジアの航空会社、損失3兆円」 リーマン以来の需要減

 【ニューヨーク=白石亘】国際航空運送協会(IATA)は二十日、新型コロナウイルスによる肺炎(COVID19)の感染拡大で、今年のアジア太平洋地域の旅客需要が当初の想定から13%落ち込むとの試算を発表した。同地域の航空各社は売り上げ減少で、二百七十八億ドル(約三兆一千億円)の損失を被る恐れがあるとした。

 IATAのドジュニアック事務局長は「二〇〇八年のリーマン・ショック以来の大規模な需要減少を引き起こす恐れがある」と指摘。採算が悪化した路線の廃止などを余儀なくされるケースも出るとして「航空会社にとって非常に厳しい年になるだろう」とした。

 IATAは当初、今年のアジア太平洋の旅客需要は前年比で4・8%伸びると想定していた。だが、新型コロナウイルスの感染拡大で、旅行客の減少や企業の出張禁止が広がり、一転して同8・2%減と大幅なマイナスを予想した。

 最も打撃が大きいのは中国の航空会社で、アジア太平洋全体の損失のほぼ半分に相当する百二十八億ドルが集中するとみられる。世界全体の航空会社の損失は二百九十三億ドルを見込む。

 今回の試算は、〇三年に大流行した重症急性呼吸器症候群(SARS)のケースを参考に、需要が比較的短期間で回復する想定で行われた。現時点で全体像を予測するのは「時期尚早」とIATAも認めており、新型コロナウイルスの影響が長期化すれば、経済損失がさらに膨らむ恐れもある。

<国際航空運送協会(IATA)> 国際線を運航する航空会社や旅行代理店でつくる業界団体。略称はイアタ。カナダのモントリオールとスイスのジュネーブに本部機能がある。290の航空会社が加盟し、総運航量の82%を占めるとされる。1919年に前身の組織が設立され、45年に現行組織に衣替えした。航空運賃や発券のルールなどを決めるのが主な役割。近年は独自に運賃を決める格安航空会社(LCC)の台頭などで存在意義を巡る議論もある。 (共同)

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