東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 経済 > 紙面から > 2月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【経済】

習政権、経済回復へ舵 中国 滞る部品調達・供給網

報道陣に公開された自動車部品メーカーの工場=24日、上海市で(白山泉撮影)

写真

 【上海=白山泉】新型コロナウイルスによる肺炎の感染拡大で世界経済に暗雲が立ちこめるなか、中国の習近平(しゅうきんぺい)政権は、拡大防止から、大打撃を受けた国内経済の立て直しに大きく舵(かじ)を切った。政権には、初動の遅れが感染拡大を引き起こしたとの批判もあがっており、経済対策に力を入れることで巻き返す狙いもある。

 上海市にある米国企業と合弁の自動車部品メーカーは二十四日、生産現場を報道陣に公開し、生産回復が進んでいることをアピールした。ただ、感染の拡大防止策のあおりで人の移動が制限されているため、従業員のうち約15%がまだ帰省先から上海に戻れていない。工場やオフィスで働く人もまばらだが、同社の責任者は「納入先の生産が戻っていないのでこれでも人は足りている」という。

 中国の経済紙が主要製造業に実施した調査によると、営業を再開した企業はすでに97%となったが、工場の稼働率は約六割にとどまる。厳しい肺炎の感染防止策のため人やモノの動きが滞り、経済活動の回復を遅らせている。

 工場の稼働率は、従業員やサプライチェーン(部品の調達・供給網)が戻るだけでなく、作ったモノが売れなければ回復しない。しかし、二月前半の自動車販売数量は前年同期比で九割減と大幅に落ち込んでいる。自動車販売店の関係者は「お客さんは少しずつ戻っているが、例年の二〜三割程度だ」と話す。

 旅行や外食などの消費も停滞し、清華大学国家金融研究院の朱民院長は、今年一〜二月に失われた消費支出は一兆三千八百億元(約二十一兆七千億円)に上ると予測する。

 経済の打撃の背景にあるのは政権の初動の判断ミスだ。習氏が一月七日に主宰した党の会議では、党中央のトップが「春節の雰囲気に影響を与えてはならない」として防疫対策実施の提案を退けたという。香港紙の明報が二月十七日に消息筋の証言として報じた。

 習氏は二十三日の重要講話で「影響は短期的だ」とさかんに強調したが、同時に「経済に大きな打撃とならないようにしなければならない」と危機感をにじませた。感染リスクが比較的低い地域では操業再開を急ぐよう要求。党が開いた重要会議でも、地方政府などが実施する施策のうち「生産再開を妨げている不合理な規則」はただちに解消するよう指示した。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報