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【経済】

ポイント不正疑い5000件 店員カード・架空取引で受給

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 消費税増税に伴うキャッシュレス決済のポイント還元制度で、店員自身のクレジットカードによる決済や、架空取引の申請でポイントを不正に受給した疑いがあるケースが少なくとも五千件程度見つかったことが二十七日、分かった。明らかになったのは氷山の一角とみられ、制度の穴を突いた手口は今後増える恐れがある。

 ポイント還元は消費税増税に伴う景気の腰折れ対策の柱として始まった。費用は税金で賄われており、不正が膨らめば政権への批判は避けられず、信頼失墜につながりかねない。悪質な場合は返還を求める構えだ。

 政府関係者らによると、制度に登録済みの中小店などで顧客が現金で購入したにもかかわらず、店長や従業員がそのまま店に入金せずに自分のクレジットカードなどのキャッシュレス決済で支払い、還元された最大5%分のポイントを私的に取得した手口が不正の大半を占める。

 他にポイント取得を目的とした架空取引や、一つの品物を転売し、売買のたびにポイントを受給するケースがあった。

 自動車本体はポイント還元の対象外となっているにもかかわらず、代金の一部を制度の対象となっている別の商品や自動車整備費用に含めて申請する事例もみられた。政府側は故意の有無や発生回数を踏まえ、決済事業者に返還を求めるかどうかを決める。

 不正疑いの件数は、決済事業者による通報を集約したもの。決済事業者は、同じ場所で同じ人による決済が不自然に、複数回にわたって行われることなどで把握しているという。

 制度は昨年十月の増税による消費の冷え込み対策で今年六月まで実施。

◆制度の甘さが出た

 東京財団政策研究所の森信茂樹研究主幹の話 ポイント還元は根拠となる法律がなく、経済産業省の予算措置のみの対応で始めた安易な立て付けの制度だ。根拠法がないので、監視体制が不十分になっている。今回疑われているような不正について、誰が監視の責務を負うのか、本来なら法律に定めるべきだった。消費喚起のため、緊急に取り組んだのかもしれないが、不正疑惑は制度の甘さの結果が出たといえる。

<ポイント還元制度> 中小店で買い物をした際、クレジットカードやQRコードなど現金を使わずに代金を支払うと、原則5%分を還元する仕組み。コンビニなど大手のフランチャイズ店では還元率が2%になる。参加を希望する店舗は決済事業者を通じて登録。国はポイント還元の原資として補助金を決済事業者に支給している。現金払いでは還元はなく、キャッシュレス決済になじみがない高齢者などに不公平な制度との声もある。

 

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