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【経済】

送料無料 緊急停止申し立て 楽天、実施取りやめず

楽天が導入する一部送料無料化について、記者会見する公正取引委員会の幹部=28日午後、東京都内で

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 通販サイト「楽天市場」を運営する楽天が、一定額以上の購入者への送料を出店者負担で無料にする制度を導入するのは独禁法違反(優越的地位の乱用)の疑いがあるとして、公正取引委員会は二十八日、制度の緊急停止命令を出すよう東京地裁に申し立てた。楽天が、立ち入り検査を受けた後も三月十八日の導入を取りやめないことから、緊急に出店者の不利益を防ぐ必要があると判断した。

 楽天は「申し立てを受けた事実を厳正かつ真摯(しんし)に受け止め、裁判所の手続きに適切に対応していく」としながらも「法令上の問題はないと考えている」として予定通り導入する考えを強調した。

 裁判所は今後、楽天側の意見も聴取し、緊急停止命令の必要性を判断する。

 公取委の緊急停止命令申し立ては、二〇〇四年の有線放送大手「有線ブロードネットワークス」の独禁法違反を巡るケース以来で、十六年ぶり。

 申し立ては、一つの店舗で三千九百八十円以上購入した場合、送料を一律無料にする制度を楽天に実施させないよう求めている。

 公取委によると、楽天は昨年十月、今回の制度を導入できるようにガイドラインを改定。これまでの調査で、出店者側は(1)送料負担で出費が毎月数十万円増える(2)確実に売り上げが増えるなどの直接の利益はない−ことなどが分かり、公取委は制度導入で出店者側の不利益は避けられないと判断した。排除措置命令などの行政処分に向けた調査は継続する。

 楽天は昨年十二月、送料無料の三月十八日導入を出店者に通知。一部の出店者らでつくる任意団体「楽天ユニオン」は今年一月、調査を求める署名を公取委に提出した。

 公取委は二月十日、楽天本社を立ち入り検査したが、その後も同社の三木谷浩史会長兼社長は、送料を商品価格に転嫁すれば出店者の負担は増えないなどとして、予定通り実施する意向を示していた。

<緊急停止命令> 独禁法の規定で、裁判所は公正取引委員会の申し立てを受けて緊急の必要があると認める時、独禁法違反の疑いがある行為をしている事業者に業務執行の一時停止を命じることができる。公取委によると、申し立てが行われたのは過去に7件。事業者が裁判所の命令に従わない場合、30万円以下の過料に処される。命令に不服がある場合は即時抗告できる。

 

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