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【経済】

首相が指示 経済対策は 終息見通せず「時間稼ぎ」中心

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 安倍晋三首相が編成を指示した経済対策は、感染症の拡大が要因になっているため、過去の対策とは異なる中身になりそうです。どんな特徴があるのでしょうか。 (渥美龍太)

 Q 今回の経済対策は、過去の対策とどんな点に違いが出そうですか。

 A 通常の経済対策は、景気の後退で停滞した消費や投資が再び活発に動きだすよう、政府がお金を出し公共事業などで経済を刺激します。二〇〇八年秋のリーマン・ショックの時のように、銀行や証券会社などへの信用不安が広がった金融危機の際は、世界の中央銀行が大量のお金を世の中に出し、お金の流れが滞らないようにしました。

 しかし今回は世界中の政府が行動の自粛を要請し、人やモノが動かなくなったことが問題の根源で、経済活動そのものが止まっています。この状況が続く限り、消費や投資を促しても大きな意味はありません。このため対策は感染終息までの「時間稼ぎ」が、中心になります。

 Q 何をしようとしているのでしょうか。

 A まず中小零細企業の資金繰り支援です。飲食業や観光業などでは、外出自粛や渡航制限で売り上げが感染拡大前より八割、九割減った企業もあります。赤字の会社も多い国内の中小零細企業が存続できるのは一定の売り上げがあって日銭が入るからですが、売り上げが「蒸発」した今、連鎖倒産と失業の急増を招きかねない状況です。

 政府は政府系銀行を通じた緊急融資や融資への保証枠を一兆六千億円分設定しましたが、拡充を検討しています。窓口に申し込みが殺到しており、事務のスピードアップも求められます。納税猶予で税負担を軽くすることも検討課題です。

 Q ほかにどんな対策が考えられますか。

 A 生活の保障です。現金を直接配る方針で、生活資金として使える程度のまとまった金額とし、対象にする人の条件を精査しています。従業員を解雇せずに休業させるなど雇用を維持する企業には、助成金制度の特例措置を拡大。正規・非正規問わず中小には最大で休業手当の90%を助成する方針です。

 当面の問題としては雇い止めの危機にある非正規労働者やフリーランスの支援があります。将来の消費喚起策として商品券の発行も検討中ですが、特定の業界への利益誘導が紛れ込まないかチェックも必要です。

 

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