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【経済】

<新型コロナ>経済対策、迷走 識者苦言「利益誘導だ まずは生活保障を」

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 新型コロナウイルスの感染拡大を受けた経済対策の編成が、週明けから本格化する。二〇〇八年のリーマン・ショック直後の対策の事業規模五十六兆八千億円を超える数字ありきで、「お肉券」や「お魚券」といった特定商品の消費を促す案が浮上。外出の自粛要請で飲食店や小売店などあらゆる業種が窮地に追い込まれる中、経済の識者からは「非常時に便乗した利益誘導だ」と苦言が相次ぐ。 (吉田通夫)

 お肉券とお魚券は二十六日に開かれた自民党の部会で発案され、同党は三十日に政府への提言に盛り込むかどうかを決める。外国人旅行者の激減や外出の自粛で牛肉や魚介類の消費低迷を受け、族議員が支援業界への利益誘導に奔走した。だが、コロナの打撃はあらゆる業界に広がっているため、「なぜ牛肉と魚介類は特別扱いなのか」(東京都中央区の飲食店オーナー)という怒りの声が相次ぐ。

 お肉券などのほか、旅行代金を補助する案も自民党は打ち出している。政府が外出自粛を求めて経済活動を抑えようとする一方で、特定商品の消費を促そうとすることに、大和総研の山口茜研究員は「矛盾したメッセージで、国民が混乱する」と批判。消費促進の前に人々が生活できなくなっては意味がなく「まず雇用の維持や生活の保障に集中するべきだ」と指摘する。

 コロナ関連の経済対策では、主要国は企業や個人への直接支援に力を入れる。米国が大人には最大千二百ドル(約十三万円)の現金を支給するほか、英国は特定業種の免税や仕事を休んだ従業員の給与補償を盛り込んだ。ドイツも中小零細企業に三カ月分の運転資金として最大一万五千ユーロ(百八十万円)を給付する。

 安倍晋三首相も二十八日の記者会見で現金給付を明言したが、支給対象はまだ決まっていない。ニッセイ基礎研究所の斎藤太郎氏は「消費喚起策の余力があるなら、今は倒産や失業の防止に回すべきだ」と指摘。一定以上の減収があった企業や個人事業主の売上高の補填(ほてん)など直接的な救済策を提案している。

 

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