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【NIE】

次世代研究所発!「シンブリオバトル」テーマで分かれ 大勢でも白熱 足立区立第一中学「新聞会議」15人が挑戦

 数人のバトラー(発表者)がお薦めの新聞記事を紹介し、聴衆が「広めたい」と感じた記事に投票する「シンブリオバトル」。昨年11月30日の本欄では、東京新聞の社員有志でつくる次世代研究所が東洋大学(東京都文京区)で開催した第1回の模様を伝えた。今回は学校のクラスでなど、大勢で楽しむ方法をお届けする。挑戦者は足立区立第一中学校の「新聞会議」のみなさんだ。

 新聞会議は、新聞を教材に活用するNIEに取り組む穐田剛(あきたたけし)教諭(48)=社会科担当=の呼び掛けで昨年五月に発足。部活動とは別の生徒有志による活動で、一年生八人、二年生七人が所属する。日ごろから気になる記事をスクラップし、月一回集まって、「ネットか辞書か」「友達」などテーマに沿った関連記事を読んで議論している。

 新聞に関心が高い生徒の集まりかと思いきや、「中学に入るまで読んだことがなかった」と異口同音。メンバーの二年村上遥さん(14)は「最初はスポーツ記事ばかり切り抜いていたけど、今は人工知能(AI)とか児童虐待とか、関心が広がった」と話す。

 新聞をより楽しみ、理解するために、シンブリオバトルはうってつけだ。東洋大では学生と教授のバトラー五人が自由に記事を選んだ。今回はあらかじめ「スポーツ」「食べ物・料理」「学校・教育」の三つのテーマを設定。テーマごとに五人ずつ、計十五人がバトラーを務めた。

 生徒たちは学校や自宅、図書館の新聞から、それぞれのテーマに沿って紹介したい記事を選び、発表案を練った。単なる記事の感想ではなく、「なぜお薦めなのか」を伝えるのに苦心したという。本番では発表三分、聴衆の生徒たちとの質疑一分でアピールした。

「スポーツ」グループ

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香川真司選手の記事を紹介した西澤拓音さん

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 「スポーツ」で一位になった二年西澤拓音(たくと)さん(14)は、昨年のサッカー・ワールドカップ(W杯)ロシア大会の日本代表の記事から、香川真司選手に注目。指摘されていたメンタルの弱さを克服し大会で活躍した香川選手の姿に、「なにごとも精神が大事」と話した。原稿に目を落とす生徒が多い中、ただ一人メモを見ずに発表した。

「学校・教育」グループ

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18歳選挙権を取り上げた片岡真奈さん

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 「学校・教育」では、十八歳選挙権を取り上げた二年片岡真奈さん(14)が優勝。ことしの夏で十八歳になる姉への聞き取りもまじえた発表は「説得力がある」と評価を受けた。このテーマでは五人のうち三人が、校内へのスマホ持ち込みに関する記事を選んだ。

「食べ物・料理」グループ

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「チーズの歌」で笑いを誘った佐藤彩水さん=いずれも足立区で

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 「食べ物・料理」で栄冠に輝いたのは、自作の「チーズの歌」を披露して笑いを誘った一年佐藤彩水(あやみ)さん(13)。歌のインパクトが抜群で、穐田教諭は「他の生徒の発表がかすんでしまった」と複雑な表情。

 バトルを終え、二年石山麗華さん(14)は「強調したい部分は要約せずに言葉を補った。しっかり伝えられた」。同多田倫哉(ともや)さん(14)はフィギュアスケート羽生結弦(ゆづる)選手の記事の本人の言葉から過去の「名言」も気になり、ネットで検索。「一度口にしたことは曲げない」と、羽生選手の新たな魅力に気付けたという。

 見学した教諭らからは「投票理由を聴衆に聞いていたのがいい。何を魅力に感じたのか人それぞれ違うことが分かる」「(バトルの)テンポがよく、流れがうまくできている」などの声が出た。一方で「記事の中身なのか、発表方法なのか、投票基準が分かりづらい」との意見もあった。

 穐田教諭は「新聞は世の中とつながり、読解力を身に付ける最高のツール。シンブリオバトルは本を一冊読むより取り組みやすい」と話す。文部科学省は学校図書館充実のため、二〇一七年度から複数社の新聞を置くことを進めている。その活用法の一つとして、あなたの学校でもいかが?

<シンブリオバトル> 発表者が本を順番に紹介し、聴衆が読みたいと感じた1冊を選ぶ知的ゲーム「ビブリオ(本の意味)バトル」の新聞版。バトラーは色分けされたかぶり物を身に着け、聴衆は公式ガイドブックの対応する色のページを掲げて投票する。

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