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【NIE】

<知りたいコトバ 知っている?言葉>刑法38条−故意

 日常語としては、このコラムでの説明を要しない「故意」。ところが刑事学の観点から見ると様相が一変し、犯罪の成立を左右する重大要素となります。

 刑法三八条は一項前段で「罪を犯す意思がない行為は、罰しない」と定めています。つまり、犯罪として非難されるべき行動を自覚し、その結果としての事実が発生しても構わないと許容していた者を罰するという趣旨(認容説)で、判例もこの立場を取っています。

 当たり前のことを述べているようですが、ここで問題となるのが同条三項の「法律を知らなかったとしても(中略)罪を犯す意思がなかったとすることはできない」の文言。明治時代から続く刑法の歴史に残る判例を勘案すると「故意には、違法性の認識を必要としない。自身の行為が犯罪に当たると知っていたかどうかは法律の不知にすぎず、明快な意図の下になされた犯罪の成立を妨げない」という解釈がされていることが分かります。

 次回では『刑法38条−過失』をご紹介します。 (矢野文高)

 

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