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【NIE】

<学校と新聞>出前講座の新聞作り 綿密に準備、短期間で完成

準備を十分して編集した図書新聞を持つ3人の編集者=都内の中学校で

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 「目の前の一人のために全てを疑う」の演題で東京大学の学生、宇地原栄斗(うちはらえいと)さんを講師に開く第六回図書委員会出前講座の新聞作成担当は一年生三人。年度末で三年生の卒業に間に合わせるため、短時間で完成させて発行する必要があり、事前の編集準備を綿密にしました。放課後の図書室、三回目の編集長である玉枝さんが仕切ります。

 「感想を全部載せていたけれど、紙面を有効に使うために同じものはまとめた方がいい。講師のおすすめ本は必ず紹介するべきだ」と百代さん。「おすすめ本を実際に読んで紙面に感想を掲載するのもいい」「あらすじも載せよう」など次々アイデアが浮かびます。

 宇地原さんは、絶対的貧困と相対的貧困の違いや、生まれた地域や家庭環境によって子供の可能性が閉ざされてしまう問題点などを分かりやすく話してくださいました。「自分の感情を大切にして、将来を考えるといいですね」というアドバイスをいただき、講演は終わりました。お礼の言葉を担当した真奈さんは「日本国内に子供の貧困があることを初めて知りました。実際に解決に向け、NPOで活動されていることの大変さやこの問題を考えていく大切さを実感しました」と思ったことをしっかり伝えることができました。

 その後、玉枝さんが宇地原さんにインタビュー。講演で挙げた有川浩さん「レインツリーの国」以外のおすすめ本として、森絵都さん「カラフル」やO・ヘンリーの短編集を聞き出しました。さらに「支援を受ける人の気持ちを教えてください」と質問、「みんな同じようなニーズでなく、一人ひとりのニーズは違います」という宇地原さんの答えに、「ということは直接会うことが大切ですね」と答えた玉枝さん。「その通りです。よく気付いたね」との返答に、とてもうれしそうな玉枝さんでした。

 翌日からの編集作業は玉枝さん、穂乃華さん、百代さんが必死に原稿を書き、レイアウトを工夫し締め切り前に完成しました。「今回もギリギリだったので、余裕をもって完成させる工夫をしたいです」と玉枝さんは今後にも前向き。図書室には宇地原さんが書いた「社会を捉えるまなざしと意志を持つ」の色紙とともに、彼女たち(現二年生)の新聞が掲示されています。

 (東京都公立中学校主任教諭・穐田剛)

 

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