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<知りたいコトバ 知っている?言葉>前島密の新聞 

 先日、東京都墨田区の郵政博物館へ行きました。明治期に国営の郵便事業を始めた前島密(ひそか)の企画展最終日でした。展示には前島が明治の初めに発行した新聞「まいにちひらがなしんぶんし」がありました。

 前島は江戸末期に将軍徳川慶喜に漢字廃止を提案するなど、国語教育にも一家言を持つ人でした。展示の新聞は昔の平仮名を含む仮名書きでしたが、数字は漢字書きでした。後日見たほかの号にも少ないながら漢字が入っており、漢字全廃の難しさを物語っていました。特に子どもに向けた紙面ではなく、漢字を習う手間が国民の教育や学究の妨げになるという考えに立った試みでした。しかし、「前島密」(吉川弘文館)の著者山口修さんによれば、新聞は売れずに約一年で廃刊になります。

 山口さんは廃刊の要因に平仮名が続く紙面の読みにくさを挙げます。また明治期の新聞読者の多くは漢字漢文を読みこなしましたが、まだ一般の人は新聞そのものになじんでいなかったとのこと。平仮名の新聞は出る幕がなかったようです。 (重松洋一)

 

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