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【NIE】

<学校と新聞>文明開化の情報伝達 言葉がつながり知識になる

明治22年の新聞のコピーを興味深く読む6年生たち=都内の小学校で

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 二十代後半の男性の先生による小学校六年社会科の授業を紹介します。「文明開化」についてです。前の時間で、子供たちは「明治になり都市の人々の生活が大きく変化した」ことに気付いています。この日は、そこからのスタート。

 先生は明治時代の日本橋付近の絵と、同時期の地方の様子を写した写真を並べて提示しました。子供たちは「ガス灯」や「レンガ造りの建物」などの描かれた絵と、地方の様子とのギャップに戸惑います。口々に「なぜ地方は木造ばかり?」「みんな着物だ」「文明開化じゃないの?」とつぶやきます。「なぜだと思いますか?」と先生が返すと、子供は「東京から離れているから、なかなか伝わらない」と予想。

 先生は「日本中の町や村に生活の変化が見られるようになるには、数十年かかります。しかし当時、地方の人々も『文明開化』のことは知っていました。どうしてだと思いますか?」と問いかけます。すると、子供は「話で伝わった?」「本かな?」「そのころは、テレビやラジオ、インターネットもないし…」。その時、一人の子が「新聞だよ!」と発言。「どうしたら確かめられますか?」と先生。「そのころの新聞を読んでみたい」と言う子供に、「そんな昔の新聞、手に入らないよ」「ムリー」と突っ込みを入れる子も。その言葉を逃さず、「じゃあ明治時代の新聞を読んでみましょう」と、先生が言うと、一斉に「エー!?」。

 担任が配布したのは明治二十二年四月二十日発行の新聞のコピー。「文明開化」というには少々遅れますが、それはさておき子供たちの反応が興味深いのです。子供は当時の新聞にくぎ付けです。「ルビ」がふってあるので少しは分かります。数人が何かを発見しました。「『外国人』と書いてあるよ」。すると堰(せき)を切ったように「知事」「汽車」「電話会社」「乗合馬車」と発表が続きます。「『福沢諭吉』もある」「これ、みんな文明開化だ」「日本中の出来事が『新聞』を通して伝わったんだ」と子供たちは大喜びです。

 断片的な言葉がつながり、知識となる瞬間です。なるほど、これもNIE(新聞を教材に活用する学習)。授業はこれでは終わりません。NIE劇場はまだまだ続きます。

(日本新聞協会NIEコーディネーター 関口修司)

 

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