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【NIE】

<学校と新聞>150年前のNIE 新聞を読み聞かせる会も

各自が明治の生活者になってみて作った「明治新聞」

写真

 六年社会科の授業の続きです。(前回「文明開化の情報伝達」は七月十日付)

 明治期の新聞を読んで、子供たちは文明開化が新聞を通して伝わったことに気付いたところです。担任は「多くの人が新聞を読むようになるには、どうしたと思う?」と質問します。子供同士で話し合い「新聞を無料で配った」「国が命令した」と予想します。担任は「確かめてみよう」と言い、一枚の白黒写真を子供たちに見せました。

 机を囲んで椅子に座り、何かを読んでいる六人の着物姿の男性の写真です。子供は「昔の写真だ」「みんな新聞を読んでいるのかな?」とつぶやきます。そこで、担任は写真を説明した資料を配布。そこには、写真が明治初期の「新聞縦覧(じゅうらん)所」であること、このころは国が新聞を買い、地方の役所に配り、無料で新聞を読める場所をつくったことが記されていました。子供たちは「やっぱり無料だ」「国が読ませようとした」と、気付いた点を発表します。さらに、歴史大好きの男子が「日本は寺子屋があったから、世界の中で文字が読める人の割合が高かったのさ」と付け足します。「それで、みんな新聞が読めるようになったんだ」と子供たちは納得します。

 しかし、担任は「そのころの女性や子供には文字を読めなかった人も大勢いたよ。その人たちにはどうしたと思う?」と質問を重ねます。すると、子供は「多分、読み聞かせをした」「記事の説明をした」と予想。「どうして?」と聞くと、子供は「今でも難しい文章のときは、読み聞かせをして説明してくれるから」と答えました。

 それを受け担任は、易しく書き直した山梨県庁の一八七二年の文書を配ります。内容は「文明開化が進んでも…世間のことを知らないのは、ふがいない。…新聞は国内をはじめ外国各地の様子も細かく書いてある。…能力のある者を読み手として新聞解話会を開き…読んで聞かせなさい」

 子供たちは資料を読んで「予想が当たった」と大喜び。「次の時間は、ぼくたちで新聞解話会をやりたい」と盛り上がったところで、チャイム。NIE劇場はひとまず幕を下ろしました。現在のNIE(新聞を教材に活用する学習)で学ぶ、百五十年ほど前のNIE、いかがでしたか。

 (日本新聞協会NIEコーディネーター 関口修司)

 

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