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【NIE】

<学校と新聞>学校司書の活躍 授業に合う記事を集める

分科会で、豊郷中学校での取り組みを報告する学校司書の中川紀美子さん(左側奥)に質問する参加者ら=宇都宮市文化会館で

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 学校の授業など教育現場での新聞活用(NIE=Newspaper in Education)の実践事例と成果などを持ち寄り、意見交換するNIE全国大会。第二十四回大会が先月、宇都宮市で約千百人が参加して開かれた。分科会では、中学校の学校司書からの報告があり、学校図書館の役割の大きさが再認識された。

 宇都宮市教育委員会は、すべての学校の図書館に学校司書を配置。個々の学校では対応できない時には、市立図書館と連携して資料を集めるなど、生徒の学びと授業を支える体制づくりに力を入れているという。

 「学校図書館を核とし、生徒の学びを広げ深めるNIEの実践」と題して発表したのは、同市立豊郷(とよさと)中学校の学校司書、中川紀美子さん(58)。同校では昨年から、教科ごとの「年間指導計画」に、新たに新聞利用の項目をつくり、指導計画を司書の手元に置くようにした。「これで授業内容に合った記事を集めることができる。記事をテーマごとに集める『情報ファイル』作成に取り組むことになった」と中川さんは説明する。

 収集する記事のテーマが分かると、「長期に記事を集めることができ、記事の比較も可能になる。数カ月にわたって集められた記事は、生徒のより広く深い学びにつながる」と話す。

 二年生の理科の授業「等圧線の間隔と風の吹き方には、どのような関係があるか考える」では、実際の天気図とともに、民家の屋根が吹き飛ばされた写真が載る「強風、39・7メートル」を伝える記事を示した。被害の激しさが、生徒に非常に強い現実感を与えたという。

 「中学生の中には理科が身近に感じられず、専門家だけが必要とする『将来役に立たない教科』という意識があり、それを変えるのに新聞記事が適している。身の回りで起きていることが、理科の学習と結び付いていると理解することができる」という理科教諭の認識を紹介。中川さんは「生徒は日常に起こっている話題を意識するようになった」と変化を強調した。

 また、道徳の授業では、歌手安室奈美恵さんの生き方をテーマに集めた記事を使い「ぶれない生き方」を意見交換するなど、すべての教科に対応しているそうだ。授業の情報を学校司書と教員が共有することで、記事の多様な活用が大きく進んだ。 (鈴木賀津彦)

 

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