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【NIE】

<知りたいコトバ 知っている?言葉>「つとに」が気になる

 「近頃つとに気になるのは…」「最近つとに思うのは…」などの「つとに」の使い方が、最近とても気になります。

 つとには「夙に」と書き、(1)朝早く、早朝に(2)早くから、以前から、子どもの時から、若い時から、といった意味です。(1)の意味の使い方の例として多くの辞書に「つとに行く雁(かり)の鳴く音(ね)は」という万葉集が挙げられていることからも分かるように、古くから使われていて、国語・古語どちらの辞典にもあることばです。

 (2)は「つとに知られた」とか「つとに有名な」などと使われます。文頭に挙げた例が「近頃とみに(しきりに)気になるのは…」「最近つくづく(よくよく)思うのは…」というような意味なら、「つとに」を使うのは変だと思います。

 「つとに知られた」を「特に知られた」、「つとに有名な」を「とても有名な」などと意味を取り違えているのではないでしょうか。

 古いことばが、元々の意味とは全く異なる意味で、現代で用いられていることに、ことばの面白さを感じます。 (浴野裕)

 

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