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【放送芸能】

秋のドラマ イチ押しは? 4記者が寸評トーク

 秋の連続ドラマが始まった。民放各局の新ドラマの中から5作品を選び、放送芸能部の男女4人が本音で語り合った。 (猪飼なつみ、伊藤彩、竹島勇、原田晋也)

◆刺さるせりふ

 −4人の評価が一番高かったのは日本テレビ系「獣になれない私たち」だね。

 伊藤 脚本は「逃げるは恥だが役に立つ」や「アンナチュラル」の野木亜紀子。主役は新垣結衣演じる晶(あきら)と松田龍平演じる恒星。脚本がうまいなあ。今後の期待値が一番。

 猪飼 晶が職場で気を使っちゃって、あんなに仕事押しつけられて…、見ててざわざわする。ああいう時もあったよな。同世代として共感しちゃう。

 竹島 晶と恒星がつきあうのだろうが、晶の家庭の問題はネガティブだし晶の彼は元彼女(黒木華)と同居してるなど、興味が尽きない。脚本家の力量を感じる。

 原田 恋愛だけが焦点じゃない。生き方を問う。

 猪飼 そうそう、そこがリアルなんだよねえ…。恒星が晶に言う「ばかになれたら楽なのにね」ってせりふが刺さるなあ。

◆米倉を楽しむ

 −続いて評価が高かったのが、米倉涼子が弱小弁護士事務所を率いるテレビ朝日系「リーガルV〜元弁護士・小鳥遊(たかなし)翔子」。天才医師役の「ドクターX」から新境地を開けたかな。

 猪飼 新境地ではないのでは? 似ていると思うけれど、気楽に見られるのは同じ。

 伊藤 新味がないからといって批判する人はいないんじゃないか。待ってたファンがいる。

 竹島 米倉を楽しむドラマだが、それを高橋英樹や小日向文世ら主役級だったりうまい役者が脇で支えている。展開は痛快だ。

 原田 鉄道オタクネタや「行列のできる法律相談所を目指す」というせりふなど笑えるネタがある。

 猪飼 米倉のファッションがすごい。ラフな格好なのにジャケット1枚着るときちんとした格好になる。参考になります。

◆自在な唐沢寿明

 −僅差で3番手に食い込んだのがテレビ東京「ハラスメントゲーム」。地方に左遷されていた唐沢寿明演じる秋津が本社に戻され、さまざまなハラスメント問題を解決していく。

 猪飼 パワハラ、セクハラなど時代の話題を取り入れてる。パワハラの被害者は部下だけじゃなく、上司に対するハラスメントにも触れていた。

 竹島 秋津も過去にハラスメントをしてるし、秋津を左遷した役員との関係も脚本の井上由美子がどう描くか楽しみ。唐沢はシリアスもユーモアも演じられるからね。

 猪飼 いろいろ過去が出てきそう。

 原田 ハラスメント被害を受けている視聴者にとっては切実で、ちゃかしたり会社の論理で解決しちゃうと炎上するかも。

◆しゃれた弁護士は?

 −米国ドラマを原作にしたフジテレビ系「SUITS/スーツ」は今ひとつの評価にとどまったね。

 原田 織田裕二演じる優秀な弁護士と中島裕翔(ゆうと)演じる記憶力が天才的な若手がコンビを組むという設定は、絶対面白くなるはずなのに。偶然に頼りすぎている。米のドラマを無理にまねて作っている感じ。もっと日本風に作ればいいのに。せりふやリアクションがオーバー。

 伊藤 原作に忠実な設定を決めてるってことなんでしょうね。

 猪飼 違法と偶然で展開しすぎ。演技過剰に感じる。

 竹島 映像はしゃれてるけどね。

 原田 中島演じる青年が、ホテルの中で作業員の名札やジムの休止情報を記憶の映像と照合して、不審を感じ逃走するシーンは緊迫感があった。織田のライバルの蟹江弁護士(小手伸也)がさらにいい味を出してくれることに期待する。

◆突っ走る恋心

 −戸田恵梨香演じる34歳の女医・尚(なお)が主役のTBS系「大恋愛〜僕を忘れる君と」だけど、みんなの評価は低かったね。

 伊藤 私は他の弁護士ものよりは、この恋愛ドラマを毎週見ちゃうだろうなあと思いますけど。

 竹島 初回で、尚が暗記するほど好きな作家が偶然引っ越し業者のアルバイトとして尚の前に現れ恋に落ちる。尚が若年性アルツハイマー病になるのはまだしも、尚の婚約者がその専門医で、尚が交通事故で救急搬送された病院にたまたま来ていた婚約者が尚の脳の画像を見て病気を疑う−。偶然がこうも重なってはドラマに入り込めない。

 猪飼 尚は冷静な女性のはずなのに出会った男性に葛藤もなくぐいぐい突き進むのが理解できず、ついていけない。

 伊藤 そこが大石静脚本なんじゃない。いきなり核心に持っていくのが。

 猪飼 驚きの行動を制作サイドは病気に関連付けるのかなあ。

 伊藤 「理性を超えた本能が私に命じるんです」というせりふがある。理屈や整合性を求めていないのでは。

 猪飼 相手役のムロツヨシはコミカルな演技がうまい。ほっとするよねえ。

 

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