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【放送芸能】

掘り下げた音、人物 アニメ「ピアノの森」 6キャラに演奏家6人あてる

アニメ「ピアノの森」に演奏で参加している(右から)牛牛、反田恭平、高木竜馬=東京都港区で

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 NHK総合で放送中のアニメ「ピアノの森」(日曜深夜0時10分)が、劇中音楽の豪華さで話題となっている。5年に一度、ポーランドのワルシャワで開かれる世界最高峰の「ショパン国際ピアノコンクール」をテーマにした作品。世界で活躍する若手ピアニストらが参加し、ワルシャワ・フィルとの共演も録音された。出演ピアニスト3人が作品の魅力や演奏の工夫を語った。 (樋口薫)

主人公の天才ピアニスト、一ノ瀬海 (C)一色まこと・講談社/ピアノの森アニメパートナーズ

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 「ピアノの森」は2015年に完結した一色まことの同名漫画が原作。昨年4〜7月に登場人物の幼少期を中心に描く第1シリーズが放送され、今年1月から主人公の一ノ瀬海(カイ)がコンクールに挑む第2シリーズが始まった。主要キャラクター6人に特定のピアニストを当てているのが特色だ。

 カイの師匠、阿字野(あじの)壮介の演奏を担当したのが、今最も勢いのあるピアニストの一人、反田(そりた)恭平(24)。原作の10年来のファンで、「一人の少年がピアニストになる道が分かりやすく描かれ、演者としても共感できる」と思い入れを語る。

 カイの小学校時代からのライバル、雨宮修平の演奏は高木竜馬(26)。これまでに複数回、国際コンクールでの優勝歴がある。「ライバルであり、音楽の道を究めようという仲間でもあるピアニストとの交流を経て成長していく場がコンクール。その人間ドラマが克明に描かれている」

 コンテストで争う3人の外国人キャラには、役柄と同じ国出身のピアニストを起用した。中でも強敵となる中国出身のパン・ウェイは、6歳でデビューリサイタルを開いた天才ピアニスト牛牛(ニュウニュウ)(21)が担当。「原作は中国でも人気。アニメになったことで、直接心に響いてくる。視聴者に届きやすくなった」と語る。

 録音の際は、各キャラの特徴を意識して演奏に工夫を凝らした。反田が担当する阿字野は、事故の後遺症で左手がうまく使えないという難しい設定。「左手に合わせるので速くは弾けない。その代わり右手でトリル(装飾音)を加えるなど、監督と相談しながら進めた。自分も右手首や左手小指を骨折したことがあり、弾けなかった当時を思い出して演奏した」

 高木も「普段の演奏で作曲家の人生を勉強して臨むように、雨宮はどんな人物かを考えた。いつもより自由奔放な部分を落ち着かせ、アカデミックな演奏を目指した」という。昨年9月にはノルウェーのグリーグ国際ピアノコンクールで優勝しており、「コンクールの中で覚醒する雨宮と一緒に、自分も成長できた」。

 牛牛はポーランド人指揮者ヤツェク・カスプシク、ワルシャワ・フィルとショパンの協奏曲を共演。実際のショパンコンクール決勝が行われるホールで、同じ状況を再現しての収録になった。「本物のコンクールのようで緊張した。まるでドキュメンタリー。リアルさを感じてほしい」

 アニメの反響の大きさを実感したという反田。昨年7月から計約3万人を動員した全国ツアーを先月完結させたが、「会場に小さい子が増え『阿字野先生、見てるよ』と言ってくれた。何よりの財産になった」。

 実は肝心の主人公カイの担当ピアニストは明かされていない。放送では圧倒的な演奏が披露されているが、現時点で公表の予定はないという。3人に尋ねたところ「一ノ瀬海は一ノ瀬海なんです」と、笑顔ではぐらかされてしまった。

 ◇ 

 各キャラの演奏を収録した3種類のCDが13日から3週連続で発売。雨宮修平(2700円)、一ノ瀬海(2枚組み、3780円)、パン・ウェイ(2700円)の順。4月17日には、昨年発売のベスト盤に続く「『ピアノの森』ピアノ・ベスト・コレクション2」(2枚組み、3780円)も発売される。

右からパン・ウェイ、阿字野壮介、雨宮修平 (C)一色まこと・講談社/ピアノの森アニメパートナーズ

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