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【放送芸能】

NHK大河「いだてん」序盤で失速 2月に視聴率10%割れ

24日の放送回ではいよいよ四三(中央)がストックホルム五輪で走る

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 NHK大河ドラマ「いだてん 東京オリムピック噺(ばなし)」が迷走している。二月十日の第六回に異例の早さで視聴率が10%を割り込んでからは一ケタ続き。「“大河らしさ”をあえて外したことで、旧来の大河ファンが置いてきぼりになった」と大河ドラマ通が語る序盤。巻き返しを図りたいNHKだが、出演者の逮捕というアクシデントもあり、“負の連鎖”に苦しんでいる。暗雲を払う“快足”はいつ飛び出す? (竹島勇)

◆時代錯綜、なじみ薄キャラ…「大河ファン」置いてきぼり

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 「自分は気にしていないが、周りがすごく心配してくれている」。今月四日に開かれた「ストックホルム大会」編の取材会で、主人公の金栗四三(かなくりしそう)を演じる中村勘九郎は視聴率低迷についてそう答えた。五日には、四月からの新出演者の発表会見があり、その一人の寺島しのぶは「宮藤官九郎さんらしい脚本でスピーディーですごい。万人受けしないかもしれないけど、大河に新風を吹き込む挑戦をしている」と印象を語った。

 十日からは四三らが日本人初の五輪出場を果たした一九一二年ストックホルムでの奮闘の日々を描く。NHKは「前半のヤマ場」と位置付けていたが、十日は8・7%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)とワーストを記録。関係者のショックは大きい。

 大河は20%を狙う番組といわれてきた。しかし近年、視聴環境の変化などもあり、かつてより視聴率は低くなっている。「平清盛」「花燃ゆ」「西郷(せご)どん」などでは10%を切る回も出たが、二月からそれが続くことはなかった。

 大河ドラマに詳しい時代劇評論家でコラムニストのペリー荻野は「挑戦的な作りで楽しんでいるが、低視聴率なのも分かる」という。その理由として(1)明治と昭和を行ったり来たりして混乱する(2)主な登場人物になじみがない上、群像劇風なので人間関係が分からない(3)宮藤脚本は大きな出来事をあっさり描く一方で、小ネタが多く落ち着かない−と三点を指摘する。四三の五輪出場までを描く明治の場面と、ビートたけし演じる落語家の古今亭志ん生が高座で四三や六四年東京五輪のことを語る昭和三十五年ごろの場面を行き来する構成や、登場人物が有名人ではなく、関係も分かりづらいという。

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 総合で大河ドラマが放送される日曜午後八時台は、日本テレビ系「世界の果てまでイッテQ!」、テレビ朝日系「ポツンと一軒家」と15%を超えるような強敵がそろう。ペリーは「まさに、いだてんのごとく、ドラマが走り抜けていく。これまでの大河好きは付いていけないと感じているのでしょう」とみる。

 不振に輪を掛け、出演者のピエール瀧容疑者が麻薬取締法違反の疑いで逮捕されるという事態も影を落とす。その影響について、上滝(こうたき)徹也日大名誉教授(テレビ文化史)は「(瀧容疑者は)四三が履く足袋の職人役で印象的だった。社会はコンプライアンス(法令順守)に厳しくなっている。すぐ視聴率に反映するかは不明だが、嫌悪感を持つ人はいるだろう」と話す。

 打開策はあるのか。ペリーは「あえて放送前に内容を知らせ、解説するような番組を作るべきだ」と投げ掛け、「走るシーンでは副音声で元マラソン選手の増田明美さんによる走りとドラマの解説を入れてはどうか」と提案する。

 訓覇(くるべ)圭・制作統括は取材に「視聴率のための番組作りはしていないが、多くの人に見ていただきたいという思いからすると残念」と話した上で「時代が行ったり来たりする構成は(効果を)狙ってやっている。共感してもらえるドラマにしたいと作っている。ドラマの内容や良さが伝わるPRのあり方や情報の出し方は必死で考えています」と明かした。

 苦しい状況は続くが、四三が後半生を過ごした熊本県玉名市の「金栗四三PR推進室」の永田哲朗主任は「低視聴率がネット上で取り沙汰されているのは承知しているが、それにより全国的に無名だった四三の認知度が上がると受け止めている」と話すなど、期待する向きもある。

 <「いだてん」>日本人が初めて五輪に参加した1912年のストックホルム大会から64年東京大会の招致、開催までを実在の2人を通して描く。主人公は前半が金栗四三で、後半が五輪招致に尽力した田畑政治(まさじ)(阿部サダヲ)。物語全体の語りを「噺(はなし)」として落語家の古今亭志ん生(ビートたけし)がつなぐ。脚本の宮藤官九郎、音楽の大友良英、訓覇圭・制作統括の3人は、人気を集めた2013年の連続テレビ小説「あまちゃん」を担当した。

中村勘九郎(中央)を囲む新たな出演者ら。浮上を図ることができるか…=東京・渋谷のNHK放送センターで

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