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【放送芸能】

令和へ飛び出せ 元号あやかり続々

 平成から令和へ、カウントダウンが始まった。一日に新元号が発表されると、エンターテインメント界でも近づく新時代の熱気に影響を受けた取り組みが続々現れている。絶好のスタートダッシュを切り、令和元年のトップランナーとなれるか−。 (山岸利行、神野栄子、原田晋也、藤浪繁雄)

◆金爆 発表前から生中継、1時間後に新曲

元号発表の中継を見守るゴールデンボンバー(左から喜矢武豊、樽美酒研二、歌広場淳、鬼龍院翔)

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 一日午前の新元号発表前からいち早く動いていたのが、ヒット曲「女々しくて」で知られるビジュアル系エアバンド「ゴールデンボンバー(金爆)」。インターネットの動画配信サービスで制作現場から生中継し、メンバー四人がお祭り気分で盛り上げながら、元号発表を見守った。ほかのメンバーが安倍晋三首相や菅義偉官房長官に扮(ふん)していたのに対し、樽美酒(だるびっしゅ)研二はなぜかアントニオ猪木参院議員の格好で登場。「元号ですかー!」と絶叫した。

 発表の約一時間後には、新曲「令和」を仕上げた。事前に用意しておいたメロディーと歌詞に、鬼龍院翔はスタジオに入り「令和」と連呼しながら録音し、ミュージックビデオを公開。「『れ』は巻き舌で(発音し)歌いがいがある」と鬼龍院。メジャーレーベルと契約していないこともありフットワークが軽い金爆。「新元号ソングはみんな思い付くと思うが、頑張ってやれば自分たちが最初にできるのでは」(鬼龍院)という発想から企画した。ジャケット写真にも「令和」の墨書きを入れた。CDは十日発売。

◆GLAY ツアータイトルに

ロックバンド「GLAY」の4人

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 ロックバンド「GLAY」は、五月に始まるツアー公演のタイトルを「SURVIVAL 令和最初のGLAYとHEAVY GAUGE」にする。新曲「元号」を二十六日から配信予定としている。所属レコード会社によると、新曲は昭和や平成を生きた人々への敬意や、令和の時代を担う世代への激励を歌う内容という。

◆新ユニット名も

1日に結成された少女ユニット「令和パンク学園」

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 一日に結成を発表したユニット名に、新元号を入れたのが子役歌謡パンクアイドル三人組「令和パンク学園」。りん(6つ)、なつみ(7つ)、ゆうな(10)の三人はBSフジ「ガチャムク」などに出演した縁で結成、五月五日にシングル「令和」をCD発売し、初お披露目する。歌は歌謡、サウンドはパンクという新しい音楽にチャレンジするといい、ゆうなは「女優になるためにパンク学園できっかけを作りたい!」と新時代への強い決意を語っている。

◆新作落語完成

改元発表即新作落語を作った三遊亭わん丈

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 伝統芸能や演芸の世界でも敏感な反応があった。

 「できましたよ新作落語。名付けて『元号親子』」と語るのは気鋭の二つ目、三遊亭わん丈(36)。時代の節目に「賞味期限が短くても、新作も手掛ける噺(はなし)家として触れないわけにはいかない」と使命感に燃え、数日で作り上げた。新元号の印象を「文字だけで見ると、半分昭和に戻る感じ。失われつつある人情や心の豊かさがあった時代。それは落語の世界に通じる」と歓迎する。

 できたての「元号親子」は、「元号のことをよく知っている有識者」と仕立てられた父親が、子どもたちに過去の元号の由来について“珍説”を繰り広げるという爆笑の一席…。

 わん丈は「バカバカしさに、元号という難しいテーマをどう盛り込むかで苦心した」。元号を学び、新作作りの幅も広がったという。学校寄席など子ども向けに披露する機会も多く、この一席も笑いを通じて「人を思いやる心」を育むきっかけにと望む。七日午後六時から、東京都調布市の飲食店「紗ら+(さらさら)」で「元号親子」を初お披露目する。

◆コンビ改名します

5月1日からコンビ名「令和喜多みな実」にすると発表したプリマ旦那

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 大阪を拠点に活動するお笑いコンビ「プリマ旦那」も流れに乗った。五月一日から「令和喜多(きた)みな実(み)」に改名すると、一日のライブで発表。メンバーの野村尚平(30)と河野良祐(32)は「大阪の梅田(キタ)と難波(ミナミ)から発展し、漫才で全国へという思い。四十七都道府県を回りたい」と目標に掲げた。

「平成代名残絵巻」から。坂東弥十郎(左から2人目)ら

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 東京・歌舞伎座で二日に始まった「四月大歌舞伎」(二十六日まで)。昼の部の新作「平成代名残絵巻(おさまるみよなごりのえまき)」では、早速「令和」を取り入れた演出が登場し、話題となっている。源平の争いを素材にしながらも、戦争がなかった平成を象徴した物語。常盤御前役の中村福助らが出演し、平宗清役の坂東弥十郎の「益々(ますます)の令和の弥栄(いやさか)」というせりふに客席から拍手が起きた。最後は「令和の御代(みよ)とぞなりにける」とうたわれ、新時代の到来を告げて締める。

◆お祭り感…ため息

<コラムニスト桧山珠美さんの話> 昭和から平成に代わる時と異なり、今回はお祝いムード一色で、お祭り感に満ちていた。国全体が浮足立っていたと感じる。

 テレビでは発表から商品化までの時間を競ったり、令和と同じ名前の人を捜したり、どの放送局も似たようなことを紹介していたが、発想が貧困で、芸がない。もう少し粛々と受け止める番組があってもよかった。こうした現象を見ると、クリスマスやハロウィーンといったイベントのように「令和」が瞬間で消費されているようだ。この軽さにため息が出てしまう。

 五月の改元時にもう一度、同じようなことが起きるのだろうが、出典である万葉集についてもっと考えてみてもいい。「人々が美しく心を寄せ合う中で文化が生まれ育つ」という令和の意味をかみしめ、そういう時代がやってくることを期待したい。

 

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