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【放送芸能】

唐流に挑む 息子の大鶴義丹 アングラ劇、やっぱりテント

父唐十郎の芝居、テント公演への思いを語る大鶴義丹=東京都中野区で

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 一九六〇年代からアングラ演劇の旗手として活躍した唐十郎(からじゅうろう)(79)の若き日の作品「蛇姫様 わが心の奈蛇(なじゃ)」に、息子の大鶴義丹(ぎたん)(51)が挑む。唐の芝居のトレードマークともいえる東京・新宿の花園神社境内でのテント公演も受け継ぎ、十五〜二十四日に上演する。

 劇作家、演出家、俳優でもある唐は劇団「状況劇場」(八八年解散)を率い、同神社に設けた「紅(あか)テント」で公演してきた。大鶴は同劇団出身の金守珍(キムスジン)が主宰する「新宿梁山泊(りょうざんぱく)」の“紫テント”公演に客演する。

 二〇一四年六月、金が大鶴を誘い、唐の代表作の一つ「ジャガーの眼」を上演。その後も「新・二都物語」(一六年)、「腰巻おぼろ 妖鯨篇(へん)」(一七年)、「ユニコン物語〜台東区篇〜」(一八年)と、大鶴は父の演じた役にテント公演で向き合ってきた。大鶴は「若いころは考えなかったが、父の作品に取り組むタイミングが来た」と心境を語り、「子どもの時からテント芝居は身近な存在」と格別な思いを明かす。

 唐は一二年五月、自宅付近で転倒し頭に大けがを負い、療養を続けている。大鶴は「父が一線を退かざるを得なくなったが、自分もキャリアを積み、父の作品を自分の肉体で演じられると感じた」と話す。テント公演について「作品はテントでこそ魅力が光るよう計算されていると理解した」と実感を語る。体調の良い時に唐も観劇に来る。「深い話はしないが、喜んでくれているようです」

 「蛇姫様〜」は一九七七年初演。朝鮮戦争下、九州・小倉に向かう死体運搬船で生まれた蛇姫様こと、ヒロインあけびを巡る物語。大鶴はあけびに絡む男の役。初演時、あけび役は唐の当時の妻、李礼仙(現在は李麗仙)。大鶴は「アングラらしく、おどろおどろしいがファンタジー。女性の役が多くあでやか」と魅力を語る。金が演出、出演し、あけび役を水嶋カンナが演じ、状況劇場の人気役者だった大久保鷹(たか)も共演。

 大鶴は「父の作品を十年、二十年と続けていきたい」と唐流の芝居の継承に気合を込める。

 各日とも午後七時開演。問い合わせは劇団新宿梁山泊=(電)03・3385・7971。 (竹島勇)

1978年、状況劇場の紅テント前で語る唐十郎

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