東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 放送芸能 > 紙面から一覧 > 記事

ここから本文

【放送芸能】

反社会勢力との闇深く 吉本芸人ら処分 影響広がる

司会を務める「アメトーーク!」出演見合わせとなった宮迫博之

写真

 振り込め詐欺グループのパーティーや暴力団関係者の会合に所属事務所を通さずに参加し金銭を受け取っていたとして、「雨上がり決死隊」の宮迫博之ら吉本興業などの芸人が謹慎処分になった問題で、該当芸人のテレビ番組の出演見合わせや差し替え、地域のPR大使の解職など影響が広がっている。反社会勢力との交流や「闇営業」はなぜ絶えないのか。芸人たちの釈明はどう受け止めるべきか。 (原田晋也、藤浪繁雄)

 二十五日深夜に放映された「ロンドンハーツ」(テレビ朝日系)。処分を受けた田村亮は進行役だが、画面に映らなかった。巧みな編集でカットされていたが、代わりに相方の田村淳のアップが頻出したり、公共広告機構のCMが続いたりと不自然な点があった。

 吉本興業などによると、宮迫、田村亮ら十三人は二〇一四年、「カラテカ」の入江慎也(吉本との契約解消)の仲介で、詐欺グループが主催する忘年会に事務所を通さずに出席。当初は全員が金銭の受け取りを否定していたが、その後受け取っていたと発表した。

 芸人らが反社会勢力とつながる背景について、暴力団などに詳しいノンフィクション作家の溝口敦さんは、法規制により活動できなくなったヤミ金融業者らが代わりに始めたのが振り込め詐欺などの特殊詐欺だと説明する。暴力団員ではない「半グレ集団」と呼ばれる不良グループが手を染めている例が多いといい、「今や半グレ集団が社会に与える害毒は暴力団を上回っているかもしれない」と分析する。

田村亮も「ロンドンハーツ」の画面に映らなかった

写真

 暴力団対策法や暴力団排除条例の適用を受けずに活動していることもあり「昔より芸能界に入り込みやすくなっている傾向がある」とも明かす。芸人たちは「反社会勢力だとは知らなかった」と口をそろえるが、溝口さんは「ちょっと疑わしい。詐欺グループは私的な場では『お年寄りをだまして食っています』などと言う。キャバクラでシャンパンタワーをやったり、マグロの解体ショーをやったりと、派手な遊び方にも特徴がある」と指摘する。

 芸能界に精通している井上公造リポーターは当初、芸人たちの釈明について「芸人の世界では、後輩の顔を立てるため頼まれて出演してお金をもらわないという例はある」と信じていたという。しかし、「結果的にうそをついていたわけで、処分は当然だ」と話す。

 一方で「闇営業という言葉が独り歩きしている。事務所に内緒で営業に行く内規違反と、反社会勢力のパーティーに行くことは別の話」とも指摘。「もらってはいけないお金をもらったことを認め、それなりの記者会見をするべきだった」と批判する。写真誌「フライデー」が報じて発覚した際、入江に電話したところ、泣きじゃくって反省の言葉を述べていたという。「反社会勢力とは知らなかったという説明は信じているし、信じたい」。処分を受けた芸人たちについて「一から出直して、立てる舞台から立つべきだろう」と語った。

 お笑い界に詳しい芸能事務所関係者は「闇営業は以前からあったが、テレビによく出るような人はほとんどなかったと思う」と明かす。その一方で「暴力団の関連企業であっても一見、反社会勢力か分からない例も増えた。宴会に行ったら写真撮影は避けられない。今後、親類や親しい友人ら近い人からの依頼以外は行かなくなるだろう」と話した。

 事務所と芸人が契約書を交わしていないケースが多いことも影響しているようだ。テレビ番組で吉本所属の複数の芸人が「交わしていない」と語っていたが、ある大手プロダクション幹部は「ウチではあり得ない。契約書には細かな条項が記されていて、“裏の仕事”などしないように取り決めている。これは所属芸人やタレントを守るためでもある」と強調した。

写真
 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報