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【放送芸能】

浮き沈みあるのが人生 仏映画「シンク・オア・スイム」ルルーシュ監督

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 8人のさえないおっさんがシンクロナイズドスイミング(種目名をアーティスティックスイミングに変更)で世界選手権を目指す姿を描いたフランス映画「シンク・オア・スイム イチかバチか俺たちの夢」が、12日公開される。実在チームをもとに、ヒューマンコメディーに仕上げたジル・ルルーシュ監督(46)=写真=は「誰もが抱える中年男性のうっ屈や喜びなどを表現した」と話す。 (竹島勇)

「シンク・オア・スイム−イチかバチか俺たちの夢−」から

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 スウェーデンの男性チームの奮闘を描いたドキュメンタリー番組を見たルルーシュ監督が設定を仏のチームにし、ほろ苦くも後味の良い作品にした。

 うつ病を患い、会社を退職して引きこもりがちなベルトラン(マチュー・アマルリック)は家族から軽蔑され、嫌みを言われる日々。ある日、地元のプールでメンバー募集の告知を見てチーム入りしたが、そこは妻や母親と折り合いが悪く怒りっぽい男、経営する会社が倒産寸前の男、ミュージシャンになる夢を捨てられない男…といった悩める中年男の集まりだった。ぽっこりおなかが出てすぐ息が上がるメンバーたちは、ぶつかりながらも厳しい練習に取り組む。

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 「これがテーマを象徴しているんだ」。ルルーシュ監督は八人があおむけに浮かび手をつないで、円になった写真を示して語る。「この競技は調和が大切だが、彼らの生きる社会は一見豊かでもそれぞれが不幸や悩み、孤独を感じて生きづらい」。多様なキャラクターの群像劇でもある。「自分や知人を反映させた。ミュージシャン志望の男は僕の演劇学校での友人で、俳優を夢見たがレストランで接客係をしている」と実例も挙げて語る。

 インタビュー中、ルルーシュ監督は度々、携帯電話に目を落とした。そして「さっきまで楽しかったけど、親友が亡くなったと連絡が入ったんだ」と明かした。「人生には良いことも悪いこともある。この映画で伝えたかったことだよ」と自分に言い聞かせるように話した。しかし、結末は明るくした。「浮き沈みがあるのが人生だが、夢見るような仕上がりにしたんだ」

 この題材は映画人をひきつけるのか、同じチームをモデルにした英国のコメディー映画「シンクロ・ダンディーズ!」(オリバー・パーカー監督)が九月二十日に公開される。ルルーシュ監督は「シナリオを読んだけど、僕の作品とはテイストが違いコメディー色が強そう。見てはみるつもりだけどね」と静かにほほえんだ。

 

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