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【放送芸能】

孤高の泥棒 14年ぶり長編 篠原哲雄監督「影踏み」 主演・山崎まさよし

山崎まさよし(左)と篠原哲雄監督=東京都新宿区で

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 「半落ち」「64−ロクヨン−」などで知られるミステリー作家横山秀夫の小説「影踏み」(祥伝社文庫)が篠原哲雄監督により映画化、十五日に公開される(全編ロケ地の群馬県は八日から)。主人公の孤高の泥棒をシンガー・ソングライターの山崎まさよしが演じた。十四年ぶりの長編映画出演に「大丈夫かなと思った」というが、旧知の篠原監督からの依頼に「断る理由が見つからなかった」と明かす。 (竹島勇)

 篠原監督は長編デビュー作「月とキャベツ」(一九九六年)の主演に演技未経験だった山崎を抜てきし、オール群馬ロケで撮影した。その後、同県在住の横山とも交流が始まり、今回の映画化につながった。

 山崎が演じるのは深夜、民家に忍び込み現金を盗み出す、通称「ノビ師」の真壁修一。その力量と、したたかさから「ノビカベ」の異名をとる。かつては厳格な家庭に育ち、司法試験を目指したが、家族を巡る事件をきっかけに表社会に背を向けて生きている。

 刑期を終え出所した修一が、不自然に逮捕された事件の背後に潜む裏社会の人間関係を探る一方、修一を愛し続ける幼なじみの保育士、安西久子(尾野真千子)と再会。久子も巻き込まれる事件が発生し、修一の家族に起こった悲劇の過去が明らかになる。

 泥棒として生きることを自分に強いる男の心の闇を描いた作品に、山崎は「修一は過去への償いを自分に科して泥棒を続けている。そうでないと自分の気持ちが収まらないんでしょう」と話す。篠原監督は「俳優山崎まさよしの成長を感じた。当初の設定はもっとサスペンスフルで、修一は粗暴な言動をする役でしたが、今の山ちゃんなら(抑制的な演技が効果的と)と修正しました」と明かす。

 修一の愛情への渇望もテーマ。山崎は物憂げな視線、久子への愛を心の中に押さえ込む表情など、成熟した演技で起用にこたえた。

 プライベートでは妻と小学二年の長男、幼稚園年少の長女との四人暮らし。家族の幸せについて、「幸せの中にいると感じないのかな。過去のあの時は幸せだったなとか、知人の家族の楽しげな様子に感じるとか…」とこたえた。

 山崎は劇中に流れる音楽を手掛け、エンディングの主題歌「影踏み」も自作し歌う。「映画で描かれていない、崩壊前の家族のエピソードを描いた。この曲にはすごく満足しているんです」と目に力がこもる。俳優としてもミュージシャンとしてもプロの山崎がそこにいた。

「影踏み」から。山崎まさよし(右)と北村匠海

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