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【放送芸能】

放送界「ワンチーム」 民放連全国大会 ネットに危機感、結束訴え

シンポジウムの様子=東京都内で(民放連提供)

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 全国の民放幹部が一堂に会する日本民間放送連盟(民放連)の「第67回民間放送全国大会」が6日、東京都内で開かれた。インターネットに押され、若い世代を中心にテレビ離れが進む時代。放送界に展望は開けるのか−。 (原田晋也)

 「放送の分野ではライバルとして切磋琢磨(せっさたくま)する関係であっても、ネットの分野においては連携し、結束することが重要。可能な限りワンチームでありたい」。大久保好男会長(日本テレビ会長)は、あいさつでネット時代の民放の連帯を呼び掛けた。

 民放連研究所が、本年度の営業収入見通しをテレビ2・8%減、ラジオが2%減と下方修正したことに触れ「民放各社の経営に重大な影響が出かねない」と危機感をあらわにした。ネットへの番組の常時同時配信を進めるNHKには「民放と競合しないよう、NHKの過度な肥大化が進まないよう、節度をもって抑制的に運営していただきたい」と改めて注文をつけるなど、民放を取り巻く環境は厳しい。

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 企業が広告を出す際の基準となる視聴率などの指標について考えるシンポジウム「多様化する視聴指標」も開かれ、テレビや広告関係者が視聴者のデータ活用を話し合った。

 資生堂ジャパンメディア統括部の小出誠エグゼクティブマネージャーは「テレビの現状は過小評価されているのではないか」と話した。小出氏は、メディアの接触時間の統計でパソコンやスマホなどに触れている時間は確かに伸びているが、「テレビの接触時間はあまり減っていない」と指摘。近年話題に上ることが多いSNSについても「日本全体で見ると使っていない人の方が多い。もっと冷静に見るべきだ」と語った。

 また、都市部ほどネットの利用時間が長いなど地域差もあるといい、「エリアによっては、まだまだテレビが一番なところがある」とも指摘した。しかし、「これから五年、十年先は不安。広告出稿を考える上で『まずテレビ』という時代は終わった。広告主の商品のターゲットが多く存在するCM枠がどこなのかという詳細なデータを出してもらえればありがたい」と要望した。

 ネットを研究している慶応大の植原啓介准教授も「テレビは公共性のあるメディア。プライバシーに配慮しながらデータを活用し、番組をよりよいものにしていく責任がある」と、視聴データ活用を呼び掛けた。

◆東京五輪公式映画・河瀬直美監督 映像が持つ力語る

 大会では、二〇二〇年東京五輪の公式映画監督を務める河瀬直美による記念講演もあった=写真。自身が映画に出合うまでの経験に触れながら、映像が持つ力について語った。

 河瀬監督は高校までバスケットボールに打ち込み、国体への出場経験もある。現役最後となった試合の最中に「負けているからではなく、現役が終わっていく、時間を止められないという感覚がもうどうしようもなくて」涙が止まらなくなったという。

 その後、映画に出合い「映像は時間を閉じ込めることができる」と情熱を傾けた。昨年、公式映画監督に決まった時は「ああ、宿命だ」と思ったという。「あの時、私がアスリートとして感じていた思いを、世界の一流のアスリートたちを対象に描くことができる。あの時バスケットのコートで泣いていた私に伝えてあげたい」と笑った。

 現在はさまざまなアスリートやその周辺で働く人にインタビューを重ねているという。「彼らの言葉や表情にはうそがない。覚悟を持って撮っていきたい」と決意を語った。

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