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【放送芸能】

<ねづっちの謎かけ道場>出前道場 「杉並江戸落語研究会」22人参加

小学生(前列左の2人)が積極的に発表し、大いに盛り上げてくれました

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 毎週水曜に好評連載中の「ねづっちの謎かけ道場」が十月末、街に飛び出しました。東京都杉並区の公共施設に集まったのは「杉並江戸落語研究会」の九〜八十歳の二十二人。ねづっちさんによる謎かけ奥義の伝授に続き、メンバーの皆さんが力作を続々発表、傑作や珍回答の競演となりました。笑いと拍手に包まれた「出前道場」のハイライトをどうぞ−。(立尾良二、神野栄子)

◆まず…基本は3つ

 出前道場はねづっちの講義から始まった。「基本は三つ」と極意の核心に触れ、一つ目は「お題から言葉を連想する。その数が多いほど謎かけをたくさん作れる」。第二は「同音異義語。手っ取り早いのは同じ言葉で、違う意味の言葉」。第三は「オチから考える。お題から同音異義語を連想して、後から○○ととくの部分を当てはめる」と簡潔明瞭だ。

 「コーヒー」を例に具体的な説明に移った。参加者から「豆」「喫茶店」「苦い」「眠れなくなる」…と連想ワードが挙がり、「ほかにもホットやアイス、深煎(ふかい)り、焙煎(ばいせん)など浮かびますね」と引き取り、実践へ。

 コーヒーとかけて、もてる男ととく。その心は、やっぱり豆(マメ)が大事です

 今度は「眠れなくなる」をオチにすると−。

 大阪に住んでいる人ととく。その心は、府民(不眠)です

 続いてホットとアイス。

 恋人ととく。その心は、ホット(ホッと)できて時にアイス(愛す)でしょう

 苦いという言葉なら−。

 しっかり捕まえるととく。その心は、苦さない(逃がさない)

 「うまい」「おー」と感嘆の声と拍手が響いた。

謎かけのコツを解説するねづっち

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◆お題(1)秋 ええ、何だっけ…。忘れちゃった

 宿題としていた「秋」をお題にした作品を各自発表してもらった。

 無職の戸山亭ぐう鱈(たら)(69)「秋とかけて、線香花火ととく。その心は、あっという間に日(火)が落ちます」

 小学四年生の高円寺亭しば犬(けん)(9つ)「秋の終わりとかけて、僕の駄じゃれととく。その心は、どちらも寒いです」

 ねづっち(以下(ね))「いいですね。学校で『さむっ』と言われても言っちゃうんでしょ。分かる分かる、僕もその口だから。うちの奥さんは『家で謎かけやらないでよ。仕事で散々やってるでしょ』だって」

 続いて、高円寺亭若乱珍の代理で四十代母親「秋とかけて、砂金取りととく。その心は、小さいけど見つけました」

 (ね)「うまい。風情があります。素晴らしい」

 自営業の一球亭八忠(59)「秋とかけて、中年の持続力ととく。その心は、最近めっきり短くなりました」。参加者苦笑い…。

 (ね)「お子さんもいますよ。え、慣れてる? これくらいのころから大人にもまれたら免疫力が付きます」

 もう一人の小四、気砲亭一貫斎(10)「サンマとかけて、遊んでいる小学生ととく。その心は、とっても秋(飽き)っぽいです」

 会社員の荻灯(てきとう)亭七之助(33)「秋とかけて、暴飲暴食ととく。その心は、銀杏(いちょう)(胃腸)が木(気)になるでしょう」

 (ね)「こういうの聞くとテンション上がります。気分も高揚(紅葉)しちゃいます」

 無職の都家西北(74)「ととのいました。秋とかけて…、ええ、何だっけ…。忘れちゃった」で大爆笑。「ちょっと酔っているんでね。ええ、秋とかけて、婚活に何回もしくじっている男ととく。その心は、松茸(まつたけ)(待つだけ)」

◆お題(2)電車 路線の名前をオチに

 次にお題を募ると、しば犬が「電車!」と提案。

 自営業の事例亭独楽太(じれっていこまった)(32)「通勤電車とかけて、宝石商売ととく。その心は、ダイヤが大事です」

 (ね)「いいとこ突いてきました。路線の名前をオチに使うとか」と助言。

 しば犬「地下鉄東西線とかけて、陸上のマラソンととく。その心は、スタートが地上です。西船橋も中野もどちらも地上です」

 (ね)「電車博士だな、本当に自分の得意なやつをお題にしたな」

 ぐう鱈「通勤電車とかけて、秋の食べ物ととく。その心は、鈍行(ドンコ)もあります」。西北「路面電車とかけて、小さな男の子ととく。その心は、チンチンがあります」

 (ね)「これは全員が幸せになる下ネタです」と称賛。

 座が和み、さらにしば犬「東横線とかけて、ピッチャーととく。その心は、東急(投球)です」。(ね)「路線は結構使えます。電車とかけて、ダイエットに失敗ととく。その心は、日比谷線(日々痩せん)。また、久々に使った笛ととく。その心は、副都心線(吹くと新鮮)みたいにね」と例示すると「おおお!」と一同驚嘆。

 会社員の荻灯亭つ太郎(40)「地下鉄とかけて、インターネットととく。その心は、接続が大事です」。無職の荻灯亭飲太(いいんだ)(80)「朝の満員電車とかけて、ハゲタカととく。その心は、混んどる(コンドル)」。(ね)「昔、プロ野球のヤクルトが国鉄だったころ、本当は国鉄コンドルズにしたかったけれど、『混んどる』ではまずい。『座ろう』でスワローズになった話を聞きました」

◆即興に挑戦 小学生対決ヒートアップ

皆さん、お疲れさまでした。これからもどんどんチャレンジしてください。投稿もよろしく

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 即興は続き、お題は「飛行機」。独楽太「空港とかけて、プロスポーツととく。その心は、管制(歓声)が大事」。(ね)「いい着眼点」と評すると、参加者たちが次々に挙手。

 自営業の明日丘エル(67)「飛行機とかけて、青少年教育ととく。その心は、飛行(非行)に気をつけろ」。一貫斎「全日空の飛行機とかけて、クラスのマドンナととく。その心は、なかなか落ちません」。(ね)「うまいね。拍手喝采だよ」

 “ライバル”に負けじと小学生対決がヒートアップ。しば犬「飛行機とかけて、父親の財布ととく。その心は、ハイジャック(拝借)」。(ね)「ははは…。拝借しちゃダメですよ。僕も落ちるシリーズで一つ。飛行機とかけて、努力を怠るととく。その心は、墜落する(つい楽する)と大変です」

 参加者として名を連ねた本紙記者の原田晋也(33)が満を持して登場。「飛行機とかけて、関西の面白くない芸人ととく。その心は、落ちないで(オチ、ないで)」。(ね)「初めて謎かけをする原田記者、全体のハードルを下げる役ですよ。うまくできたらまずいでしょ」。原田、うまいと言われたのに叱られた。

 一貫斎「那覇空港とかけて、母が忙しい時に作る朝食ととく。その心は、時々スクランブル」。どっと拍手が起こる。(ね)「この知識に驚きます」

 お題は「杉並区」へ。

 主婦の高円寺亭小鈴(こりん)(58)「高円寺の次とかけて、飲みすぎた夜ととく。その心は、阿佐ケ谷(朝がや)」

 会社員の宝満亭福ぷく(56)「杉並江戸落語研究会のメンバーとかけて、新人のキャッチャーととく。その心は、受け(ウケ)るのに必死です」

 黙々とマイクの受け渡し役をしていた記者の藤浪繁雄(51)も参入。「杉並の地名とかけて、東京スカイツリーととく。その心は、高井戸(高いどー)」。飲太「杉並区とかけて、定員に満たない保育園ととく。その心は、高円寺(乞う園児)」。八忠「杉並区の道路とかけて、花粉症ととく。その心は、青梅街道(おー目かゆいどう)」。地名オチが続いた。

◆最優秀賞 ぐう鱈さん

最優秀賞のぐう鱈さん(立っている人)ら皆さん、力作を競いました

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 傑作、力作ぞろいで大成功だった出前道場。最後にねづっちさんが賞を選びました。特別賞にしば犬さんと一貫斎さん。「激しいデッドヒートを演じてくれました。二人に優劣をつけると、後でけんかになるんじゃないかと思って」と笑わせた。そして最優秀賞はぐう鱈さん。「打率が高かったのと、積極的に発表して盛り上げてくれました」

 ねづっちさんは「秘伝三カ条」を伝授。(1)発表する時は「ととのいました」と言う(2)自信がない時はドヤ顔でごまかす(3)一番大事なことは、他人の謎かけを絶対にけなさない−だそう。皆さんも謎かけにチャレンジして、水曜の「謎かけ道場」に奮ってご投稿ください!

◆参加者は…杉並江戸落語研究会の皆さん

 今回参加してくれた「杉並江戸落語研究会」は二〇〇九年発足。東京都杉並区高円寺を拠点に活動し、現在会員は世代を超えた約四十人。事例亭武蕉会長。月一回の定例会のほか、福祉施設などで「訪問落語」も開いている。昨年は年間百三十三回公演の実績を誇る。十二月一日午後一時半から、同区の高円寺北区民集会所一階集会室で、「謝恩落語会」を開く。入場無料。ホームページ(http://sugiraku.com/)参照。

 

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