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【放送芸能】

面白くなってきた! 秋の連ドラ、ダークホース編

 民放各局の秋の連続ドラマが佳境に入ってきた。「最初は良かったがついていけなくなった」「我慢して見ていたらだんだん面白くなってきた」など、感想はさまざま。今月2日の「ドラマガイド」で紹介し切れなかった作品の中から、“ドラマ通”の記者4人が、「ここにきて予想以上に面白くなってきた作品」をレビューした。 (原田晋也、奥野斐、長壁綾子、伊藤彩)

◆G線上のあなたと私(TBS系火曜午後10時) 心の機微、ほのぼの

 婚約を破棄され仕事も失ったアラサー女性也映子(やえこ)(波瑠)、兄の元婚約者のバイオリン講師への初恋を引きずる男子大学生理人(りひと)(中川大志)、意地悪なしゅうとめに手を焼き夫には浮気された専業主婦幸恵(松下由樹)。偶然、同じバイオリン教室に通い始めた、年齢も境遇もばらばらな3人の交流と心の機微を描く。

 タイトルからは音楽家ものが連想されるが、語られるのは誰もが抱える仕事や恋愛、人間関係など普通の人の等身大の悩み。全体的にほのぼのした雰囲気で、友情を深めていく3人のテンポのいいやりとりがほほ笑ましい。

 レッスンの帰り道でさりげなく手をつなぐなど、徐々に距離を縮めていく也映子と理人の微妙な距離感に、幸恵のように「いいなぁ〜」と思わず体をくねくねさせてしまう。気が付けば目が離せなくなってきた。 (原)

「G線上のあなたと私」から。右から波瑠、松下由樹、中川大志

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◆同期のサクラ(日テレ系水曜午後10時) 忖度なし胸を突く

 夢をかなえるため大手ゼネコンに入社した北野サクラと同期4人の10年間の物語。病床のサクラを前に、同期が回想する形で1年を1話ずつ描く。

 バカ正直で忖度(そんたく)知らずの主人公を高畑充希が好演。脚本の遊川和彦ら「過保護のカホコ」のスタッフの再集結に放送前から期待大だったが、予想を上回る面白さ。毎回、森山直太朗の「さくら(二〇一九)」が流れる頃には涙腺が崩壊している。

 サクラの正義感は同期の窮地を次々と救う。一方で、自分を貫けば貫くほど夢は遠ざかり、利益に目がくらんだ権力者につぶされてしまう。傷つくサクラの支えは故郷にいる祖父なのだが、悲しい別れが訪れる。

 不条理な社会に生きているからこそ、主人公と自分を重ね、サクラや同期の言動、祖父の言葉が胸に突き刺さる。どうか、最後は元気になって5人で記念写真を撮ってほしい。 (長)

「同期のサクラ」から。高畑充希

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◆モトカレマニア(フジ系木曜午後10時) 元のさや、収まるか

 元恋人が忘れられず「モトカレ(元彼)マニア」を自称するユリカ(新木優子)を中心に繰り広げられるラブコメディー。

 ユリカの妄想や行動がかわいく面白い。会員制交流サイト(SNS)で元彼のマコチこと真(高良健吾)の名前を検索したり、かつてデートした場所を1人で再訪したり。誰しも似た経験があるのでは?

 仕事は「始めたらいつか終わる」、恋愛は「始まらなければ終わりもない」など、じわっと来るせりふも。モトカノ(元彼女)マニアの山下(浜野謙太)や小説家のさくら(山口紗弥加)ら周辺人物も魅力的。

 マニアはストーカーとは違う。むしろ相手を思うあまり、言いたいことを言えず聞きたいことも聞けない。それはユリカと再会したマコチも同じ。最後はモトが取れて、ただのカレ・カノマニアになれるのか。楽しみに見届けたい。 (伊)

「モトカレマニア」から。新木優子

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◆死役所(テレ東水曜深夜0時12分) 人生色々、みな尊い 

 舞台は、この世を去った人が訪れる「シ役所」。さまざまな理由で亡くなった老若男女が、死因別の窓口で「申請書」を書きながら、死に至るまでを振り返る。主人公のシ役所総合案内係・シ村にTOKIOの松岡昌宏。毎回ゲスト出演者を迎え、1人の人生の物語を描いていく。

 他殺、自殺、病死、事故死、老衰…。当たり前だが、死から浮かび上がる生き方は人それぞれだ。理不尽に殺されて未練があったり、生前の行いを後悔したり。残された人々の悲しみや思いは、どの人生も尊いものだと教えてくれる。

 涙してしまう回も多いが、特につらいのは「仏様」が子どもの話。いじめを苦に自殺した中学生や、不妊治療の末に授かり、生まれる前に亡くなった赤ちゃんの回は引き込まれた。シ村ら職員も訳あり。終盤になり秘密が徐々に明かされ、気になっている。 (奥)

 

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